Architectural Design Course

建築デザインコース

人間生活の場としての建築の可能性を探る

建築家としてのテーマを見つける4年間

社会からの要求に対し、デザインという作業を通して、具体的なかたちを答えとして導き出すのが「建築家」の仕事です。実践型カリキュラムに挑戦し、幅広く柔軟な発想や、自分なりの問題意識、理想の空間をつくるための技術・方法論を身につけてください。



ピックアップ講義

建築計画・デザイン基礎

この授業はデザイン分野の唯一の必修科目であり、建築計画及び建築デザインの入門として、人々の豊かな生活の場としての建築空間を創るための基礎的なデザイン理論を学習することを目的とします。まず、形の一般論として形態の知覚法や人体寸法と比例の理論、さらに建築形態の持つ可能性について学びます。次いで、建築空間と人間との関係を、人間の身体(寸法)、イメージ、心理、行動等から客観的・総合的に捉え、建築における計画やデザインの在り方や意義について多角的に考察します。

建築デザイン論

建築の設計を学ぶためには、優れた建築デザイン事例を知り、そのデザイン手法を分析的に理解することが不可欠です。この授業では建築の形態が持つデザイン上の意味を考察し、学習します。様々な建築デザイン事例や都市空間から、それらが創り出す空間概念の特質を明らかにし、そのデザイン手法と実現された空間の意味を学びます。

建築計画II

この授業は建築をつくる際に必要とされる基本的な計画内容を理解し、空間構成の手法を総合的に学ぶことを目的とします。特に、居住空間および住宅地(独立住宅の団地+集合住宅の団地)の計画を主なテーマとします。さらに授業内容への理解を深めるため、授業時間内で各種の演習課題を行い、構築環境をリアルに捉え、分析評価するスキルを身につけます。

近代建築史

この授業では、現代に直接つながる「近代」の建築の歴史を通して、科学、技術、文化、諸芸術や社会との関係を理解します。特に建築と社会の関係に注目し、それぞれの地域や時代のなかで建築がどのような状況に直面し、それにたいしてどのような選択をし、何を実現してきたかといった観点を重視します。


デザインスタジオ

建築デザインスタジオ1

この授業では集合住宅の設計演習を中心として、集住計画の基本を学びます。周辺地域の社会的、地理的環境の把握を通して敷地の特徴を理解し、住まい方のテーマと全体の建築プログラムを組み立てると共に、それを最適な配置計画および住戸プランへと反映させる設計手法を習得します。授業の最後には課題の成果発表を行い、学習内容の確認と評価を行います。

授業テーマ ハウジングデザインスタジオでは周辺地域の社会的、地理的環境の把握と分析を踏まえた建築プログラムの組み立て、最適な配置計画および住戸プランへと反映させる集住設計手法を習得します。時間中には、ハウジングに関する専門家の講義や、見学会も組み込んでおり、受講生はデザインのプロセスとトータルに体験すると同時に最新の専門情報を見につけることも重要な意味を持っています。

2015年度は再開発中の金沢八景駅前でコレクティブハウスを計画する二部構成課題でした。前半は居住者募集のためのショールームの計画、後半は、ショールーム隣の敷地にコレクティブハウスを計画するという課題です。「ショールーム」は、コレクティブハウス完成後には周辺大学教養のサテライトオフィスに転用されるという条件が付けられています。つまり、前半課題は単にショールームという施設要件を満たすだけではなく、その後デザインされる環境全体、ひいては地域との大きな関係を考える必要があります。また、後半では前半に自分自身がデザインした建物が与条件として加わります。

環境を読みこむこと、環境の様々な要素とのダイナミックな関わりを体感し、それを楽しみながら一つの環境を作り上げる時間です。
2015年度課題 共同の住まい コレクティブハウス居住の選択を支える環境デザイン

建築デザインスタジオ2

この授業では、建築が持つひとつの属性としての公共性を手掛かりに、人と人との交流や地域づくり(コミュニティー、景観等)に対して建築ができる貢献を、学校建築や地域施設の設計課題を通して具体的に考えていきます。敷地を含む周辺の地域(社会空間)を複数の手法・観点から調査・分析して設計コンセプトを提示し、建築へと立ちあげる一貫した作業を行います。

授業テーマ この授業では、建築や都市の分析手法・デザイン手法や理念を発展させながら、現代的・社会的視点を持って地域の今後のあり方を提案するプログラムづくりから始まり、実際の建築やランドスケープや都市を計画・設計することを行います。地域の様々な特性やコンテクストを読み取りながら、建築や都市が持つ可能性を検討し、空間の提案をします。

総合デザインスタジオ

この授業では、建築や都市の分析手法・デザイン手法や理念を発展させながら、現代的・社会的視点を持って地域の今後のあり方を提案するプログラムづくりから始まり、実際の建築やランドスケープや都市を計画・設計することを行います。地域の様々な特性やコンテクストを読み取りながら、建築や都市が持つ可能性を検討し、空間の提案をします。

授業テーマ この演習授業は、特定の地域における都市空間の特性を調査分析し、その街の可能性を最大限に活かした都市デザインに挑戦する。建築やランドスケープといった職能上の区別なく、建築の内部空間からランドスケープのデザインまで連続的に提案する能力を養う。また交通や社会福祉等の地域的な社会問題から、地球温暖化やエネルギー、食糧確保といった地球規模の問題に関する知見も求められる。

2016年度は、横浜市金沢区並木地区の住宅団地である「金沢シーサイドタウン」をフィールドに様々な提案を行う。この団地は、「六大事業」と呼ばれる、横浜市の戦後最大級の基幹事業の一環として40年前に創られた郊外型団地である。建築家の槇文彦をはじめとする数名の著名建築家が、その計画に参画したことで、当時としては非常に注目された実験的な住宅団地である。全国の団地同様、少子高齢化等の社会問題は深刻になりつつあり、団地を取り巻く環境を様々な視点から調査分析し、的確な未来像を創り出すことが求められている。

この演習授業を通して検討された学生の設計提案は、地元の住民に対して公開され、これからの「金沢シーサイドタウン」のあり方を模索するための材料に供される。近未来の団地のあり方に関して、住民と議論することを通して、学生たちは、社会に貢献する建築や都市のあり方に関する知見を深めることが、この演習授業の究極の目的である。

※注:総合デザインスタジオは、建築デザインコース/すまいデザインコース/まちづくりデザインコース、3つのコースの合同開催スタジオです。