総合デザインスタジオ

第14回 最終講評

2023/07/24

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担当:中津秀之、柳澤潤

専任教員:黒田泰介、古賀紀江、粕谷淳司、酒谷粋将

非常勤講師(建築家):高橋潤、岡路明良、針谷將史、納谷学、Sebastian Gross

助手:村山徹、Yap Minwei

TA:黒柳静希(M2)、村瀬巧(M2)、村田錬太郎(M2)、寺山宇洋(M1)

 

2023.07.24(月)3,4講時目「建築・都市デザインスタジオ」と「すまいデザインスタジオ」の合同授業「総合デザインスタジオ」の第14回目が行われました。新型コロナウイルス感染症拡大防止対策として、自然換気、ソーシャルディスタンスが徹底されました。

 

この授業は、トラック1~6までの6つのトラックに分かれて行われる授業です。各トラックは複数の教員が担当し、課題が出されます。

 

下記各トラックの授業の様子です。

 

<トラック1>

担当:高橋潤、中津秀之 TA:村瀨巧

 

2023.07.24(月)、第14回目の授業が行われました。本日は全トラック合同での最終公表会が行われました。

トラック1からは大塚さん、荻尾さん、高橋さんの3名が代表として発表を行いました。

大塚さんは、公共の空間と住空間が両義的な関係をもって繋がることで、どちらの住人にも開放的な空間となるようにする。それらの空間は敷地や住人に対し、パブリック→セミパブリック→プライベートのように段階的に繋がることで、直接ではなく自然な関係性をつくる集合住宅となる、という提案をしていました。

荻尾さんは、擁壁のつながりを利用し、上下を繋ぐ坂道、交流のない人々、切り離された解放感、何もしなければとぎれてしまう歴史や記憶など様々な課題を編み込み、この街らしさを広げる網をつくるように、1 本の毛糸を挿入することを提案しました。

高橋さんは、石川町三丁目の現在の社会的な状況を水の流れに例え、その流れを調整することで、 街の様々な社会的・空間的な要素を継ぐ事で、次の時代の石川町 へ移行していく段階を設計できないだろうかと考え、発表をしていました。

どの学生もとても出来が良くなっており、最後によく頑張ったなと思いました。

これから夏休みが始まりますが、少し休憩してから卒業研究に向けて励んでいって欲しいと思います。

(TA:村瀨巧)

 

 

<トラック2>

担当:納谷学、村山徹 TA:村瀨巧

 

2023.07.24(月)、第14回目の授業が行われました。本日は全トラック合同での最終公表会が行われました。

トラック2からは石橋さん、久住さん、薗田さんの3名が代表として発表を行いました。

石橋さんは、三浦市内には農家で使われなくなったビニールハウスや三浦でしか出回らない食材、三浦の森林から生まれた間伐材、放置された空き家など、三浦の中で停滞してしまった資源が存在していることから、それらの停滞している資源や魅力に 注目し循環を動的とすべく、この町に合った資源の循環のあり方を考え、発表を行いました。

久住さんは、私たちの受動的な暮らしは「陳腐なまち」を招くという仮説の元、その危機に気付いて「自分のまち」を少しでも残すためにどうするべきなのかを考え、街にアナーキズム的発想を挿入し、凝り固まった認識を解く。そうすると関係・空間・感覚がズレていく。そのズレによって街に主体性を創出することを提案していました。

薗田さんは、街に埋もれているありふれた資源を見つけ出し、どのように活用し、認知してもらうか、また日々の生活の中で簡単に得られるようにするにはどうしたら良いかを考え、「子どもたちの新たな居場所」、「逗子のありふれた資源を収集・発信」というふたつの拠点を提案していました。

どの学生もとても出来が良くなっており、最後によく頑張ったなと思いました。

これから夏休みが始まりますが、少し休憩してから卒業研究に向けて励んでいって欲しいと思います。

(TA:村瀨巧)

 

 

<トラック3>

担当教員:岡路明良、TA:寺山宇洋

2023年7月24日、本日は各トラックの全体発表を含めた最終講評を行いました。

初めに、各トラックの学生の作品が5-503(製図室)に並べられ、先生方全員で採点を行いました。

例年より提案内容、模型の完成度が共に高く、見応えのある作品が多い印象でした。

採点後、各トラックの代表による全体発表を行いました。トラック3からは、小原さん、勝又さん、加藤さんが発表しました。

講評会では、視点は良いが提案に対する表現の仕方が適切かどうか、再度考えてみて欲しい。

様々な背景から、現在の姿になっている子安の街の読み解き方が皆面白い。などのコメントをいただきました。

 

発表後、トラックごとに集まり岡路先生、粕谷先生から総評をいただきました。以下総評。

「子安はかなり難しいエリアだったと思う。10人が全く違った切り口で提案していた。課題が自由な故にテーマを見つけることに時間がかかったと思う。誰に発表してもらうか迷うくらい皆がそれぞれの切り口に対しての提案の姿勢が良かった。」

「視点は良いが、人に伝えるための表現が足りていない所が多かった。自分の提案に対しての表現をしっかり考えるべき。このスタジオから卒業設計に繋げていく学生はこれからの課題。」

皆さん、お疲れ様でした。このスタジオを経て出てきた反省点や課題、悔しさは設計のモチベーションに繋がります。その気持ちを忘れずに卒業設計に取り組んでください。

 

TA:寺山宇洋

 

 

〈トラック4〉

担当:Sebastian Gross+Yap Minwei TA:村田錬太郎

 

第14回 最終講評

今回は、授業最後の最終講評です。

各トラックから代表者を選出し、全体で発表を行ってもらいました。

トラック4からは、石渡くん、田畑さん、浅見さんが選出されました。

石渡くんは、既存の銭湯のリノベーションを通し、自分の私物が銭湯自体を私物化させていき、別の機能を取り入れることで地域住民にとって新たなサードプレイスを獲得しようとした提案。

田畑さんは、銭湯が若い世代、特に子どもの日常に銭湯が溶け込むように既存の銭湯を改修し、子どもの遊び場や勉強スペース、子ども食堂などを設計した。

浅見さんは、銭湯に置いてある薪に着目し、周辺施設と薪を通した新しい関係を築き、今ある地域の個性を引き出すような提案。

トラック4のテーマは「銭湯」という概念の再発見です。

日常ではなくなりつつある「銭湯」が、どのように変化し現代に溶け込ませるべきか。

銭湯という空間の設計でそれを表現した人、新しいプログラムを銭湯に組み込んだ人、銭湯ではない空間で「銭湯」という概念を表現した人など様々な提案が生まれました。

4年生はこれから卒業設計に入りますが、この授業で鍛えた力をうまく活かして欲しいです。

 

(TA:村田錬太郎)

 

 

<トラック5> 

担当:針谷將史、柳澤潤  TA:黒柳静希 

 

7月24日(月)総合デザインスタジオ第14週目の授業が行われました。今週は第二課題である設計課題の最終発表になります。トラック5からは梅田さん、佐藤さん、高橋さん、蝶野さんの4人が代表で発表しました。

梅田さん

スタジアムというキャピタルストラクチャーをスモールインフラの視点から考えることで、スタジアムを外に開き、スポーツをより身近なものにする提案。

 

佐藤さん

大人の街というイメージが強い蒲田の商店街の一角に、寺子屋機能を計画することで老若男女が行き交う、これからの商店街のあり方を提案。

 

高橋さん

紙媒体が与えてくれる偶発的な出会いに付加価値を見出し、掲示物が主体となるガラスの掲示板を提案。時代に取り残され過疎化が進む掲示板の新たなあり方を模索。

 

蝶野さん

グリーンインフラをテーマに、再開発が進む渋谷にグリット状の環境装置を計画し、浄化装置や水を汲み上げることで渋谷に緑地の恩恵を還元していく提案

質疑応答の時間では、スモールインフラに対する学生各自の捉え方やそこから着想を得た提案内容、配置計画など、トラック5の中でもスケールやテーマ設定が違うため様々な議論が交わされていました。

最後に、トラック5を担当してくださった針谷先生、柳澤先生から、今回のトラック5のテーマである「キャピタルインフラ」に対する「スモールインフラ」の考え方は、卒業設計に直結するテーマであり、今後建築を学んでいく上で大切なことであるという言葉をいただきました。

総合デザインスタジオは前半のリサーチを後半の設計課題に繋げるという一連の流れが卒業設計の流れと似ています。今回の設計課題で考えたこと、感じたことを大切にし、苦しんだところ、悩んだところ、後悔していることがあれば今一度自分の提案を振り返って、卒業設計に上手く繋げられるようにして下さい。

TA:黒柳静希


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