2025年7月8日に、第1回目の「音響測定実験」の授業を行いました。今回が最後の実験テーマとなるため、授業の冒頭では、これまでに行ってきたさまざまな実験の体験について振り返りながら議論を行いました。また、建築環境・設備実験において「音」というテーマを扱う理由についての講義も行いました。
その後,ブレインストーミングを行い、音を小さくする方法を討論しました。皆さんからは、スマートフォンの音を小さくするための多くのアイデアが集まりました。その中でも、吸音材を使うという方法が最も人気を集めました。

討論の後は音響実験室に移動し、さまざまな材料の遮音性能を実際に体験しました。実験では、重い材料(たとえば鉄板)の方が遮音性能が高く、逆に、効果がありそうだと思われていた吸音材は軽いために遮音性能があまり高くないという意外な結果が得られました。


遮音性能の確認後には、加藤先生が音楽を流したスマートフォンをチューブの中に入れて、音が長距離伝播する様子を実演し、その原理について解説しました。これをきっかけに、建築設備における送風機の音がダクトを通じて室内に伝わる仕組みが紹介され、ダクト内壁での音の反射を減らすことが騒音低減の手法の一つであることが説明されました(消音ダクト)。
その後、実際に消音ダクト内に異なる厚さの吸音材を敷き詰め、異なる周波数の音に対する音圧レベルを騒音計で測定しました。


最後に、残響室での残響時間の測定を行い、吸音材を床に敷いた場合と敷かない場合の残響時間の違いを比較しました。吸音材の有無による音の響き方の変化を体感することができました。


次回の授業では、本日得られたデータをもとに、それぞれがデータ解析を行う予定です。