担当:粕谷淳司、小形徹、三浦秀彦
本日はすまいデザインスタジオ1、第4回目、『ちいさな空間』の発表を行いました。
今日は、天気も良く、すごしやすい天気でした。また、各班の『ちいさな空間』を全員で体験した後、製作者に説明してもらい、先生方のコメントと他の学生からもコメントをもらいました。
早速、各班の『ちいさな空間』を紹介します。
階段(SCC東側にある階段室1~4階)を選んだグループは、1階から上がるにつれ、空間が変化していました。ひものつっぱり具合によって違う空間ができ、途中に置かれた椅子や光の当たり方もまた、この異質で素敵な空間をつくり出していました。最終的に必要な要素にそぎ落とされていました。




SCC入り口を選んだグループは、窓を開けたことによって外と繋がり、最終的にはもう一方の窓へとつながっていく空間になりました。この場所にあるものとまた周辺へとつなる空間に変化しました。




池を選んだグループは、見えない糸でつながった傘が水面をゆれ、絶妙なバランスを保っていました。その奥ではベンチと石が並べられ、飛び石を渡る空間ができました。一見すると、まったく異なるものの組み合わせにも思えますが、ひもで結ばれている不安定な傘の揺らめきと、石をたどってわたっていく不安定さとが重なります。また、他学部の学生も飛び石を渡ってくれました。




茶室の前庭を選んだグループは、庭全体にどんぐりの入ったペットボトルが吊るされた、スズランテープを巡らしていました。入口から紐をくぐりながら進み、紐に人が触れることでどんぐりの音が鳴るようになっていました。入り口側は、青とピンクのテープ、奥に進むと緑のテープが登場するようになっていました。




建物と建物の間にある場所を選んだグループは、奥側から進み、途中で人の手によってできたような自然のものの集まりがあり、最後には、カラーコーンの重しで丸くかたどられたどんぐりや落ち葉が地面の模様を作っていました。何気ない地面も、意図されているかのように見える。また、倉庫の壁が背景として引き立てていました。




8号館を6号館の間を選んだグループは、不安定な形に組み合わされた机と椅子とベンチ、そして全体に行き巡ったスズランテープで構成されていました。ひもは場所によって、ゆるかったりピンと張られていたり、ところどころには、鈴がついけられたりしていました。静かで強い風の吹く空間が、躍動感をもち、見えない風の動きを教えてくれる空間に変わりました。




掲示板前のグループは、視覚、聴覚、嗅覚の感覚を刺激する空間をつくっていました。歩くと踏んでしまうどんぐり、実は、紙から香る匂い、目線の位置を仕切る紙は、立つことで空間が仕切られ、座ると見えるように、またカサカサとなる紐が上から吊るされ、この場所を構成していました。




どの『ちいさな空間』も大変面白く、楽しかったです。
次回から分析と展開のフェーズに入ります。授業の最後には、来週以降の説明とドキュメンテーションについての説明と小形先生、三浦先生のドキュメンテーションの紹介がありました。

分析と展開のまずはじめに、『ちいさな空間』の過程も含めた、自分なりのドキュメンテーションをつくりることで、分析と展開のはじめの一歩になります。誰かに見せるためのものではなく、自分自身の感触をまとめていくこと。『ちいさな空間』の過程を大事にして、進めていきましょう。
TA:小原久奈