総合デザインスタジオ (4年)

第5回 トラック内発表

2025/05/19

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担当:中津秀之

専任教員:柳澤潤、黒田泰介、古賀紀江、粕谷淳司

非常勤講師:高橋堅、岡路明良、玉田誠、納谷学、板坂留五

助手:Yap Minwei

TA:荻尾明日海(M2)、勝又小太郎(M2)、石垣仁(M1)、伊藤希(M1)、南部紗良(M1)

 

5月19日(月)「総合デザインスタジオ」の第5回目の授業が行われました。

この授業は履修者全員が5つのトラックに分かれる演習授業です。各トラックに数人の教員が付き、それぞれ異なったテーマの課題が出されます。今回は第1課題のトラック内講評が行われました。下記各トラックの授業の様子です。

 

<トラック1>

 

担当:高橋 堅 TA:石垣 仁

 

今回はトラック内発表でした。前回に引き続き、作成したライフスタイル表、敷地候補の解像度を上げて議論する学生が増え、模型を使って敷地のコンテクストを読み解ける段階まで進みました。

しかし一部の学生は、まだ20年後のライフスタイルに具体性がなく、今度訪れるであろう「AIの進歩」、「交通手段の全自動化」、「人口減少による移民受け入れ」、「巨大地震」など自分自身の生活だけが先行しており、検討する段階の視野がまだ狭い状況でした。高橋先生からは、今回の課題を踏まえて将来への危機感を持ってもらうことが課題の趣旨であると指摘されました。

建築設計を行うにあたり建築の勉強はもちろん、建築以外の社会情勢や環境問題などを取り入れるのは1番の説得力になるため、学生たちには視野を広げつつ、検索して集めた周辺情報を「自分のリサーチ」として再構成して欲しいです。

来週はいよいよ第1課題の最終講評会です。

ライフスタイルからリサーチまで多角的に情報を整理し、自分の視点を持って再構成し、何を伝えたいのかを明確に示すことが大切です。今回指摘された箇所を修正してより良いプレゼンに仕上げ、誰が見ても理解できる資料となるよう、リサーチの質と伝え方の両方を意識して最終講評会に挑んで欲しいと思います。良い発表を期待しています。

TA:石垣 仁

 

 

<トラック2>

 

担当:納谷学、ヤップ・ミンウェイ、黒田泰介  TA:伊藤希

 

トラック2では、先週に引き続き各自のリサーチをグループ内で講評しました。

「まちを診る」という課題から、自分が対象とするまちのリサーチを行い、まちの良いところや悪いところを見てきました。今回のグループ内講評では、具体的な問題を見つけて提案をしている学生もいれば、まだリサーチから問題が見つけられていない学生もいました。

まちの問題を治すためには、今まで自分が調べてきた情報と、対象とするまちの何を問題として、着目しているのかが重要になります。リサーチでは、グラフや表などの調べた情報と各自がまちを歩いて撮った写真など様々なリサーチ結果が見られました。

全体的に情報は集まっていますが、そこからまちの病をまだはっきりと見つけられていないと感じました。なぜこの場所なのか、何に着目して何を問題としているのか、現状を理解しないと病を見つけることは難しいです。

見つけた病に対しても、自分の提案前と後ではまちがどのように変化して改善されたのか、一連の流れを見ることで新たな考えや問題が見えてくると思います。

 

先生方からは、発表の見せ方について話がありました。同じ内容でも表現の仕方によって、相手への伝わり方や見え方が異なります。初めて聞く人にも分かるように、説明の順番やプレゼンボードの配置、表現が大切です。情報が重なっていたり、今の現状や自分の考えが整理されていないと相手にしっかりと伝わりません。リサーチ結果や自分の考えをまとめる為にも、意識してみましょう。

次回は、第一課題の全体講評です。今まで自分が調べてきた情報や現時点での自分の考えをまとめて、解像度の高い成果物が提出出来ることを期待しています。                                   

TA:伊藤希

 

 

<トラック3>

 

担当教員:岡路明良、粕谷淳司 T A:勝又小太朗

 

2025年5月19日(月)第5週目となる本日の授業は、先週に引き続き、エリアリサーチと事例研究の発表を行ないました。

このスタジオでは、「都市に内在する課題を読み解き、空間を通して応答する」というテーマのもと、住まいの在り方や人とまちとの関係を見つめ直しています。対象エリアは横浜市の関内・関外エリアで、「まちに開かれた居場所」を見出すことが課題となっています。

今回の授業を通じて、各自がリサーチの結果を基に自分なりの街に対する気づきを展開し、提案へと転換する様子が見受けられました。街の様子、オブジェクト、歴史の観点からレイヤーとして分析し、さまざまな視点が生まれていました。

 

これらのリサーチに事例研究を重ねることで、関内・関外で何ができるのかを再解釈し、自分の提案に繋げていただきたいと考えて欲しいです。

一方で、まだ自分自身の言いたいことや考えていることが上手くプレゼンテーションできていない部分も見受けられました。先生方からのアドバイスを受け、自分自身の考えをまとめる良い時間になったのではないかと思います。

また授業の終わりに他の班の発表を聞かせていただきました。他の班がどのように進めているのか、自分の提案と比べて自分自身を評価することも非常に大事なことです。良いものはどんどん盗み、糧にしていきましょう。

次回はトラック内での発表となります。これまでのリサーチなどをブラッシュアップするとともに、各自の提案となる成果を存分に発表し、第二課題へと繋げていただきたいです。

勝又

 

 

<トラック4>

 

担当:板坂留五、古賀紀江 TA:荻尾明日海

 

本日は、トラック内での中間講評でした。まず、学生たちはブックレットとA1サイズにまとめた紙を広げ1人ずつ発表を行い、先生方から講評をいただきました。

今までは制作したブックレットを口頭で説明していましたが、今回はA1サイズのプレゼンシートが加わったことで、各自伝えたいことを整理する機会になったのではないでしょうか。一方、言葉や写真で伝えようとしたことで、ブックレットの良さや自分の発見が少し薄れてしまった印象もありました。

その中で大きく2つ、①読む側目線を意識すること、②説明の順番を意識すること、の話がありました。自分が意図した読み進め方がある場合は、それを促す工夫が必要です。例えば、ページ番号を書いたり、持って見やすい素材や紙の厚みを工夫したり、読むときの動きが伝わる写真を意識して撮ったりなど、頂いたアドバイスをもとに再考して欲しいと思います。またプレゼンシート内のキャプションの内容を口頭で説明するときに、普段の課題の発表のような形式にとらわれず、自分のブックレットをどう読んで欲しいか?をシンプルに考え、話す内容や順番を検討してみて欲しいです。

授業の最後には、先週ヴェネチア・ヴィエンナーレに参加されていた板坂先生から、現地で撮った写真を見せていただき時系列的にお話していただきました。日本では見られないような街中の構造物や舗装の話、建築家「カルロ・スカルパ」の作品を実際に見た話など、とても興味深い内容でした。

次回は、前半課題の最終講評会です。あと一週間で、今回指摘されたことを修正し、より良い作品に仕上げてきて欲しいと思います。また当日は、今日のように作品の隣に立って多くのことを説明することができないため、「伝える」プレゼンシートやブックレットの構成を意識して下さい。最終発表、期待しています。頑張って下さい!

TA:荻尾

 

 

<トラック5>

 

担当:玉田誠、中津秀之 TA:南部

 

トラック5では、「都市の単位」をテーマに各自が新しい「単位」を設定し、どのような住み方が可能か、どのような建築が提案できるのかを見つけるトラックです。今回の授業では、第一課題であるリサーチのグループ内発表が行われました。

学生からは、「余域」「商店街」「観光」「学び」「こども」など様々な単位が提案されました。敷地模型を製作してきた学生や、スケッチやダイアグラムを使って工夫してプレゼンをしていた学生が多くいました。学生の中には毎回の授業でリサーチを積み重ねていき、内容の濃いリサーチとなっている学生がいる一方、情報が不足している学生や違う視点、分野からの情報がまだまだ必要な学生も見受けられました。来週で第一課題が終了となります。今回の授業でで先生からいただいたアドバイスを深め、さらに濃いリサーチを目指していきましょう。

発表をする際は決められた時間内で、どこを重点的に説明するのかなどの時間配分を事前に把握しておくことが大切です。本番で聞き手に対して落ち着いて説明し、理解してもらえるよう発表の練習をすることをおすすめします。また自分が今後何をしていきたいのか、何を変えたいのか、今後のビジョンも伝えられるとさらに良いプレゼンになります。残り一週間、頑張っていきましょう。

TA:南部


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