総合デザインスタジオ (4年)

第3回 エスキス2

2025/04/28

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担当:中津秀之

専任教員:柳澤潤、黒田泰介、古賀紀江、粕谷淳司

非常勤講師:高橋堅、岡路明良、玉田誠、納谷学、板坂留五

助手:Yap Minwei

TA:荻尾明日海(M2)、勝又小太郎(M2)、石垣仁(M1)、伊藤希(M1)

 

2025.04.28(月)「総合デザインスタジオ」の第3回目が行われました。

この授業は、5つのトラックに分かれて行われる授業です。各トラックに数人の教員が付き、それぞれ異なったテーマの課題が出されます。下記各トラックの授業様子です。

 

 

<トラック1>

 

担当:高橋 堅 TA:石垣 仁

 

第3週目となる今回、トラック1では先週作成した自己紹介シート、ライフスタイル表、敷地候補の解像度をさらに上げ、選定敷地の周辺リサーチを進めつつ、その場所での生活から老後までのイメージを膨らませて、明確なストーリーを各自で準備しました。

リサーチをまとめてきている学生はいましたが、順調に進めている一方、プレゼンテーション用の資料としてはまだ整理ができていない状態です。国土地理院の地図や、不動産業者のアットホームなどから取得した情報をそのまま貼り付けているだけで、自分なりに再構成したり、編集を加えたりする作業が追いついていません。現状では、自分が何を考え、何を伝えたいのかが見えづらく、資料としての説得力に欠けています。次のステップとしては、集めたデータを一度自分の視点で再構成すること。更に単なるコピー&ペーストから脱して、「自分のリサーチ」として語れる資料に仕上げて来ることを期待しています。

来週はいよいよ第一課題の最後のエスキスです。これまでの流れを踏まえたうえで、周辺模型はA1サイズ・1/100スケールで制作予定です。そして何よりも大事なのは、整理・編集した「自分のリサーチ」をしっかりと仕上げてくること。発表形式を意識して、伝わる準備を丁寧に整えてきて気を引き締めて欲しいです。

TA:石垣 仁

 

 

<トラック3>

 

担当教員:岡路明良、粕谷淳司 T A:勝又小太朗

 

2025年4月28日(月)第3週目となる本日の授業は、事前調べの発表と敷地見学を行いました。

今週の授業では、これまでリサーチしてきた関内・関外エリアについて、5つの視点「地形・環境」「歴史」「もの(建物など)」「インフラ・交通」「活動」から都市を読み解いた内容をそれぞれ発表しました。実際に現地を歩き、観察を重ねる中で見えてきた違和感や、空間のちょっとした変化が、都市の構造や人の流れとどう関係しているかを再認識できる機会になったと思います。

授業の後半では、先生からコペンハーゲンのオープンスペースに関する事例紹介がありました。印象的だったのは、「建物と道路のあいだにある曖昧なスペース」が、人と人の関わり合いを生む重要な場所として機能しているということ。あえて役割を決めすぎず、“使い方の余白”を残すことで、人が自発的にその場を使い、日常の中で自然な関係が生まれていくそんな設計のあり方に、都市空間の可能性を感じました。

勝又それと対照的に、日本の都市では、建物と道路、公園と街との関係がきっぱり分断されている場面が多いことに気づかされます。フェンスや段差、明確な区切りが人の動きや活動の自由さを制限していて、それが「関わり合い」の少なさにもつながっているのではと感じます。
これからの課題やエスキスでは、こうした観察や事例をヒントに、「日本の都市で、人と人の関係性が自然に生まれる空間とはどんなものか?」という問いを、自分なりの視点で深めていくことが求められます。

ただ分析するだけでなく、「自分がこういう空間をつくりたい」という思いを持って、リサーチを続けていきましょう。違和感や心地よさ、小さな気づきを大切にしながら、問いをかたちにしていくことが次のステップになるはずです。

来週はゴールデンウィークを挟んでの授業となります。各々が有意義な時間の使い方をし、次の授業へ臨んでいただきたいです。

TA 勝又

 

 

<トラック4>

 

担当:板坂留五、古賀紀江 TA:荻尾明日海

 

授業の最初に、持参したものを机の上に広げ、全員分の作品を順番に見て回りました。その後は全員で机を囲み、1人ずつエスキスを行いました。

学生たちはブックレットのかたちを考える中で、写真の枚数を増やしたり、束ね方や開き方の検討を行っていました。何を考えながら写真を撮ってきたかをそれぞれ言語化する中で、奥行き、色、角、裏と表などのキーワードが出てきました。同じ場所の写真でも違う視点で撮られたものは全く別の世界に見えることがとても面白かったです。

学生達には、その場所での体験を詰め込むための表現方法をたくさん模索してほしいと思います。写真を横に並べるのか、重ねるのか、つなげるのかなど変えてみるだけで感じる印象は大きく変化します。また、興味を持った物事に対する自分のイメージを写真で伝えるために、光やコントラスト、色の彩度の加減、トリミング方法などを工夫してみると良いと思います。自分が興味を持ったことを「気になった」で終わらせず、その現象がなぜ起きているのか、どのような要素が関わり構成されていることなのかを常に意識し考えてみてください。

先生方からは、読む人にどのようなテンションで読んでもらいたいかを考えてほしいと話がありました。例えば、参加型なのか、静かにゆっくり読むのか、パラパラ読むのかなど考えてみることで、文章や写真のレイアウト方法など本の構成が自然と見えてくるかもしれません。普段のプレゼン形式に頼らず、自由に表現してほしいと思います。

TA:荻尾

 

 

<トラック5>

 

担当:玉田誠、中津秀之 TA:南部

 

トラック5では2回目のエスキスが行われ、それぞれの学生が興味を持った「単位」について調べてきたことを発表しました。

学生からは
以前から気になっていた場所や家の近所、自分が決めた「単位」に適切なエリアなど、さまざまな敷地が挙げられました。学生の中には、気になる2か所の敷地模型をつくり、地域の特徴や課題を比べている生徒や、前回、先生から教えていただいた海外の事例を調べ、丁寧にまとめていた学生がいました。どの学生も自分で興味を持ったことに対して前向きに取り組んでいるように感じました。

ほとんどの学生がきれいなレイアウトでまとめていた印象があります。さらに用紙や文字の大きさにも配慮することで、先生だけではなく他の学生にもより伝わりやすい発表になるのではないかと思います。そして、学生同士でも疑問に思ったことや良いところを伝え合いコミュニケーションをとり、さらに濃いリサーチを目指していきましょう。

次回の授業は2週間後になります。玉田先生から、自分が興味を持ったもの、面白いと感じたことを軸に進めること。またネットだけではなく図書館に行き、本からも情報を得てみることで、ネットでは得られない情報や地域のことを深く知ることができるということを教えていただきました。この長期休暇を使って実際に敷地に行くなど楽しみながら取り組んでください。

TA:南部


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