まちづくりデザインスタジオ1

第4回 ブックレット発表

2025/05/19

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2025年5月13日(火)、まちづくりデザインスタジオ1の第4回目の授業として、STEP1の成果物である「ブックレット」の最終発表会が行われました。
 

発表では、完成したブックレットに加え、その内容をA1横サイズ1枚にレイアウトして説明を行いました。プレゼンテーションを行うにあたり、自身が「ここが良い」と思う点を言葉で伝える力を養うことが重要です。ただ「見てほしい」と受け身になるのではなく、そこに自身の視点や発想を加え、自身の設計をより魅力的なものに仕上げていく姿勢が求められます。

印象に残ったいくつかの作品を紹介します。

■ 尾上智規さん<境界を歩く>
まちの見える境界と見えない境界に着目し、境界線を軸に左右に広がる風景をブックレットで表現しました。ブックレットは折り紙のようになっており、めくっていくと、境界線両側の風景がわかる、面白いづくりになっています。

■ 倉田翔太さん<異質なモノ ~日常に潜む不思議な存在~>
普段何気なく通り過ぎる場所でふと目を引くものに着目し、その存在が私たちに与える影響について考察しました。「新聞」という形式を引用して、まちで見つけた異質なものとその背景を、新聞記事のように記述しました。実際に新聞で使われる紙とレイアウトを参照して、ブックレットを仕上げました。

授業後半には、石飛先生によるレクチャーが行われました。石飛先生が実際に手掛けた五島列島のプロジェクトを例に、次回の課題の核となる「プログラム」について学ぶ貴重な時間となりました。

コロナ禍に行われたプロジェクト「knit.(2021)」では、コワーキングスペースとシェアキッチンを組み合わせた施設が紹介され、一枚の大きなカウンターによって距離感を保ちつつ一体となれる空間を伸縮させる設計手法が解説されました。また、「五島つばき蒸溜所(2023)」では、クラフトジンの蒸溜所と修道院を結びつけ、ジンの歴史的背景と敷地の周辺環境を取り入れた建築が紹介されました。

次回の授業から始まるプログラミングエスキスに向けて、先生方から進め方に関するアドバイスもいただきました。

ヤップ先生からは、「設計対象となる敷地と、そこで何を設計したいのかを明確に説明できる材料を用意すること。敷地の写真や参考事例など、話のきっかけとなるものが必要になる」というお話がありました。

若林先生からは、「興味のあることに素直に取り組むこと。エスキスには考えていることを全て持ち寄り、その中に潜むヒントを探ることが重要である」というアドバイスがありました。

石飛先生からは、「良く見せようとせず、ありのままをさらけ出してほしい。否定せずに一緒に考えるので安心してほしい」という温かいメッセージが送られました。

これから始まる課題に向けて、学生それぞれが自身の関心や視点を大切にしながら設計を深めていく準備が始まります。なぜその提案を行うのか、その提案がまちに対してどのような影響を与えるのか、自身のアクションがまちをどのように変化させるのか、独自の表現手法を見つけ出すことが期待されます。

SA:倉科


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