担当:粕谷淳司、小形徹、三浦秀彦
すまいデザインスタジオ1、第2回目の授業です。
本日から、『ちいさな空間』の製作作業が始まりました。早速、各自作業場所に移動して製作をスタートしました。


目的をもって何かをつくること以上に、とりあえずやってみる。そして、そこで得た気づきや発見を膨らませていきました。


下のグループは、初めは机の高さを変化させながら配置していました。一つの机は、脚の一部がボールになっていました。そこで、まず一人がボール(隣にあった廃材置き場から持ってきたもの)を好きな場所に置き、次の人が置かれたボールに対して自分のボールを置く。そしてまた一人、次の一人と重ねていく。整列された机の中にリズムのようなものが生まれたかと思ったところ、風で机が崩れ、またそのことをきっかけに、きれいに並べられた机を崩していく。すると先ほどまでとは異なった空間があらわれ、隣の廃材置き場から様々なものを持ち出し、置く。それまでは掲示板の前だけにとどまっていた空間がさらに拡張され、この一帯の空間に変化が生まれました。




こちらのグループは、大きな窓を少し開けた、ことをきっかけに外とのつながりが生まれました。そこからさらに、外から葉っぱが入ってくるアクションや外にあったどんぐりが窓枠に並べられるなどのアクション。そして中では、周辺にあった椅子を動かし、建物入口に敷かれていた緑のマットを移動させ、写真のような空間となりました。




三段階に水が流れる池を選定したグループは始め、池に傘を浮かべて、風の力で傘が流れていくことを感じていました。その次には、近くにあったベンチを池に置き、実際に座ったり立ったりしました。実際にやってみることを続ける中で、学生自身が近くの場所から重たい石をもってきて、池の中に入れ、渡る試みをしていました。始めは、制限を感じていたようにも思いますが、やっていく中で学生たちが楽しそうに次のアクションをとっていたことが印象的でした。






学生のアクションから先生方のサポート、そしてその場所で生まれた小さなきっかけが少しずつ、学生たちのリミッターを外し、少しずつ感覚を感じているように思いました。
今日は製作第一回目でしたが、それぞれのグループでいいきっかけがあったように思います。特に、『ちいさな空間』を限られた範囲の中で考えていたものが、一つの変化やその場所の特徴を活かすことによって、気持ちも空間も、もう少し外側へと拡張していく様子が見られました。次回以降も今日感じたことを忘れずに、続けて『ちいさな空間』をつくっていきましょう。
授業の最後には、『ちいさな空間』の発表についてもアナウンスがありました。発表はそれぞれの選定した場所に全員で行き、全員で体験します。この段階では、発表資料をまとめておく必要がないので、次回以降も現地で、思い切って製作をしていきましょう。
TA:小原久奈