総合デザインスタジオ

第14回 最終講評

2024/07/22

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統括担当:中津秀之

専任教員:柳澤潤、黒田泰介、古賀紀江、粕谷淳司、酒谷粋将

非常勤講師:高橋堅、岡路明良、針谷將史、納谷学、板坂留五

助手:村山徹、Yap Minwei

TA:荻尾明日海(M1)、勝又小太朗(M1)、薗田さくら(M1)、高橋葵衣(M1)

 

2024.07.22(月)3,4講時目「総合デザインスタジオ」の最終講評が行われました。

 

下記各トラックの授業の様子です。

 

 

<トラック1>

担当:髙橋堅

 

本日は最終講評会です。トラック1からは、西澤君、米山さんの2名が代表で発表をしました。

西澤君の作品「大地を愛でる」

都市開発道路の計画により破壊される大地に意識を向けさせ、そこでの活動を誘発させるあらゆる素材の屋根がかかった仮説の公園をつくることで、各地に広がる大地をまちの記憶に残していくことを提案しました。

米山さんの作品「アーカイブを映し出す山道」

駅周辺に存在する山がまちを分断しているという状況を受け、その山の中を自身が歩いて発見した道を顕在化し、その山の特徴を引き出すように、人が通れる道や季節の移ろいを感じられる空間を設計することを提案しました。

トラック1の学生に対して先生方からは、場面によっては抽象的ではなく具体的に物事を考えてみること、この場所でしかできないような、対象がはっきりとしたプログラムがほしかった、地形などの元ある状態を際立たせるための表現方法がもっと他にあったのではないか?、などと講評をいただきました。トラック1の課題名には「トポグラフィー」とあったように、地形に焦点を当てて設計を進めていくことが求められていました。建築を設計する時に、自分が設計する空間のことだけを考えるのではなく、対象とした土地特有の地形や斜面との関係性を考えることも非常に重要になります。このスタジオで得た感覚を、是非卒業設計につなげていってほしいと思います。

皆さん、お疲れ様でした!

TA:荻尾明日海

 

 

<トラック2>

担当:納谷学、ヤップ・ミンウェイ

 

トラック2からは、荒井さん、伊藤さん、馬場さんの3名が代表で発表しました。

 

荒井さんの作品「篠崎公園地区まちづくり事業」

街中に存在する、使われていない多くの小さな公園をまちの病ととらえ、その中から選定した公園を、地面と植栽の簡単な操作により様々なアクティビティが活発にみられる公園へと生まれ変わらせることを提案しました。

 

伊藤さんの作品「憩いふれる~平潟湾の風光~」

金沢八景でかつて見られた景色を今は見られなくなってしまったこと、海が近くにあるのに身近に感じられないことを病ととらえ、平潟湾を一周散歩するルートに海を体感できる仕掛けをいくつか設けることで、海と日常の関わりを生み出すことを提案しました。

馬場さんの作品「浜マーケット~後世につなぐ商店街~」

木造建築の空き店舗を主体に防火壁を設置した建築とすること、商店空間の裏にアパートを建設することなどを通して、商店街の魅力を維持しつつ抱える問題を解決し、商店街を日常的に活性化させることを目指す提案をしました。

トラック2の学生に対して先生方からは、イメージで終わってしまっているため構造的、断面的な計画がもう少し工夫されていると良い、対象とプログラムを明確にすること、プレゼンの仕方として、地形や風、環境などのコンテクストについて最初に説明し、そこから敷地選定やカタチに行き着くまでにそれをどう解釈したのかの説明につなげると分かりやすい、などと講評をいただきました。

トラック2では、まちの病を見つけるという地域の問題点の抽出の仕方や、その治療法としての設計の進め方をこのスタジオを通して身に付けることができたのではないでしょうか。今回自分たちが取り組んだこのプロセスを、ぜひ卒業設計にも生かしてほしいです。

皆さん、お疲れ様でした!

TA:荻尾明日海

 

 

<トラック3>

担当:岡路明良、粕谷淳司

 

今週も第2課題の設計のエスキスを引き続き行ないました。この課題では、第1課題で行ったリサーチを元に、子安エリアを対象に人付き合いの形を提案してもらいます。いかにして、子安に新しい「L I F E」を設計するのかが課題となります。

第14週目となる本日の授業は、最終の講評会を行いました。

まず初めに503(製図室)に作品が並べられ、先生方に講評をしていただきました。

トラック3においては、先週の状態から完成度が上がっており、見応えのある作品が立ち並びました。

採点後、各トラックの代表による発表を行いました。トラック3からは、井村くん、本田さん、宮沢くん、村上さんの4人が選出されました。

講評では、自分の掲げた問題定義に対して、根本的になぜこのような状態に対象とする敷地がなってしまっているのかを今一度考え直すべきという先生からのお言葉をいただきました。そこに合理性を求めることは設計を進めていく上で、またはこれから卒業設計をしていく上で必要だと感じました。

そこに最後にできる空間のイメージがなぜこの形なのかをもっと追求できるとも感じました。

疑いの姿勢を常に持ち続け、他のものを見ること。興味を持つことの延長線が建築であることに気づかされたと思います。

模型を作ること、プランを考えること。常にスタディ中に作品と会話をしなければならない。その気づきの積み上げが自分の計画になります。だからこそ、プログラムや構造から逃げてはいけないということ。

また今回の設計で、図面の大切さを毎週の授業だけでなく、講評会で指摘され他と思います。図面は手紙と一緒であり形式と内容が揃って初めて図面になります。図面に限らず、人に作品を伝えるということを意識して、次の設計に繋げてほしいと思います。

今回の設計課題において、3年生までは見えてこなかった、自分自身の弱い部分や、足りないものが明確になったと思います。その悔しさや反省をしっかりと整理し、モチベーションに繋げてほしいと思います。

みなさん本当にお疲れ様でした!

TA:勝又小太朗

 

 

<トラック4〉>

担当教員:板坂留五、村山徹 TA:薗田さくら

 

7月22日(月)総合デザインスタジオ第14週目、第二課題の最終発表が行われました。

トラック4からは坂内さん、谷山さん、宮下さんの3人が代表で発表しました。

 

坂内さん

「都合」を内在する建築及び空間の設計という課題に対して「貸し借り」をプログラムとした建築を提案

 

谷山さん

敷地は黄金町。第一課題のブックレットでは街を自由に書き換えることで得られる豊かさを学び、第二課題では街のルールや空間を書き換え、人が入り込む隙間をつくり街におおらかさを生む建築を提案。

 

宮下さん

第一課題では敷地を練り歩きそこから自分だけのかわいいを考える。そのかわいいを抽出したものを一冊の本にまとめ、設計へ取り組んだ。自分の手を動かして形を作り上げ、kawaii で作られた自社ビルを提案。

第一課題では街にあふれた「都合」を集め編集し、その場所を身体化する為にブックレットを作成しました。他のトラックとは違った課題の進め方で始まり、第二課題で設計に入った為、戸惑いやどのように進めていけばよいのか悩む学生の姿がありました。その中でも、第一課題から学んだことを失わずに、最後には建築として形になり全員が最終提出を迎えることが出来ていたことに感動しました。

これから卒業設計が始まります。このスタジオの中で新たに学んだこと、気づいたこと、反省する部分が見つかったかと思います。先生方からのアドバイスなど、ここでの学びを忘れず卒業設計に取り組んで欲しいと思います。

TA:薗田さくら

 

 

<トラック5>

担当教員:針谷將史  TA:日下武人

 

7月22日(月)本日は全トラック合同での最終講評会が行われ、トラック5からは高里さん、高橋さん、渡部さんの3名が代表で発表しました。

 

高里さん

髙橋さん

渡部さん

最後に、針谷先生が「プログラムと方法から逃げるな」「気づきを積み上げていくことが設計」という、気づきを与えてくれるような図面を描く・模型を作る、設計をしていく上で大切なことを私たちに伝えてくださいました。

総合デザインスタジオは前半のリサーチを後半の設計課題に反映させる一連の流れは卒業設計の流れと似ています。今回の設計課題で、考えたこと、感じたこと、気づいたこと、学んだことがあると思います。設計課題を終えて、納得いく結果にならず後悔するのではなく反省し、卒業設計では反省点を改善しより良いものをつくっていきましょう。

皆さんの卒業設計を楽しみにしています。

 

今年で針谷先生が総合デザインスタジオの非常勤講師を卒業されることになりました。

 

針谷先生へ

 

針谷先生にご指導していただけたこと大変感謝しています。

ありがとうございました。

いつでも私たち学生の成長を見に来てください。大歓迎です。

針谷先生の益々のご活躍をお祈り申し上げます。

 

TA:日下武人


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