総合デザインスタジオ

第11回 第二課題エスキス⑤

2024/07/01

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統括担当:中津秀之

非常勤講師:高橋堅、岡路明良、針谷將史、納谷学、板坂留五

助手:村山徹、Yap Minwei

TA:荻尾明日海(M1)、勝又小太朗(M1)、薗田さくら(M1)、高橋葵衣(M1)

 

2024.07.01(月)3,4講時目「総合デザインスタジオ」の第11回目が行われました。

この授業は、履修者全員が5つのトラックに分かれる演習授業です。各トラックを複数人の教員が指導し、それぞれ異なったテーマの課題が出題されます。

下記各トラックの授業の様子です。

 

 

<トラック1>

担当:髙橋堅

 

本日も、前回に引き続き第2課題のエスキスが行われました。トラック1では、机の上に1週間の成果物を広げ、先生が机を回り個別でエスキスが行われました。学生たちは、エスキスのない時間は、先生からのアドバイスを受け自分の作業を進めており、授業時間中に先生と学生が何度も議論を交わす様子が見られました。

案が固まってきた学生の中では、計画するもののスケール感や、具体的な寸法に悩んでいる学生が多かったように感じました。その計画が誰のためのものであり、どのような使われ方をするのか、設計の対象を明確にすることで、寸法なども決定されてくるはずです。

設計を進めていくと、この場所がこうなってほしい、というような理想が出てくると思います。それはとても大切なことですが、まず、その理想的なことが現在の街でなぜ実現していないのか、その理由を考えることも非常に重要になります。対象とした敷地とその周辺の現状を把握することを常に意識することで、設計する上での大事なヒントを得られるかもしれません。

残りのエスキスの回数も少なくなってきました。限られたエスキスの時間を有意義なものにするためにも、まだ模型をつくっていない学生は、次回必ず作ってきましょう。設計を進めていくと、もちろんつまずくことも多くあると思います。ですがその時に頭の中で迷うだけではなく、わからないことはすぐに調べてみること、上手く行くかわからなくてもとりあえずやってみること、とにかくたくさん手を動かしてみてください。

TA:荻尾明日海

 

 

<トラック2>

担当:納谷学、ヤップ・ミンウェイ

 

トラック2では、一人ずつプレゼンテーションをする方式でエスキスが行われました。周辺を含めた模型をつくっている人、まずは図面を描いている人、素材の検討を進めている人など、学生の進捗は様々でした。

今回のエスキス全体を通して、自分が計画する建築とその周辺との関係性についてよく考え、表現してほしいと話がありました。一人ひとり、周りの建物や植栽、見える風景などとの関係について考えていることがあったはずです。今回はそれが模型や図面上に表現されている人が少ない印象でした。計画の密度を上げることももちろん大切である一方で、その用途に縛られ視点が狭まってしまうのは非常にもったいないことです。広い視野を持つことも忘れず、常に周りの環境との解き方も意識しましょう。

そしてそれを図面や模型に落とし込むときにも、その関係性がわかるように表現できると良いと思います。周辺をどの範囲まで広げて制作をするか、関係性を伝えるためにはどの図面が、あるいは模型やパースが効果的か、その選択も重要になります。

残りのエスキス回数も少なくなってきました。次回も今回同様にプレゼン形式でエスキスを行うということで、平面図、断面図、模型を持参するようにと指示がありました。今回先生方から受けたアドバイスを踏まえて、どのくらいのスケール感で、どんな表現方法を用いれば自分の案を魅力的に見せられるのかを考え、相手に伝えるためのプレゼンテーションを常にイメージしながら取り組んでいきましょう。

TA:荻尾明日海

 

 

<トラック3>

担当:岡路明良

 

今週も第2課題の設計のエスキスを引き続き行ないました。この課題では、第1課題で行ったリサーチを元に、子安エリアを対象に人付き合いの形を提案してもらいます。いかにして、子安に新しい「L I F E」を設計するのかが課題となります。

第11週目となる本日の授業は、トラック内での中間発表を行いました。

今回の中間発表では、まだコンセプトからどのように形にしていくのかという部分に対して苦戦している学生と、やりたいコトや形をしっかりとプレゼンテーションできている学生で差が見られました。

苦戦している学生は、やりたいことがあるのに対して、具体的な対象や、敷地そこに対するリサーチがもう少し必要だということを強く感じました。一度提案を整理して、イメージをトレーシングペーパーに書き出してみることや、対象となる敷地に周辺の建物との関係性や機能、高さ、面積を意識したスタディを繰り返すことで自分の設計のイメージが固まってくると思います。

また、イメージが固まってきている学生は自分の提案を残りのエスキスで引き続きブラッシュアップを重ねていきましょう。

それぞれに合った、設計の密度の高め方があると思いますが、子安においては、周辺との建物、道、人と人との関わり合い方が重要になります。自分の敷地内のプランニングだけで考え、閉じた設計になってしまっているのが今回の印象です。ここから自分の提案を見直しつつ、どんなモノやコトが自分の設計に関わるのかをイメージして、それを形として表現していきましょう。

全体的に、最終講評に向けて、プレゼンテーションを意識した計画的な時間の使い方をしていきましょう。誰かに自分の提案を伝えるということをとても重要なことです。エスキスの中で最終的に何をどのスケールで見せるのかということや、模型や図面の胃r使いなど、そういった部分も意識して残りのエスキスに臨みましょう。

TA:勝又小太朗

 

 

<トラック4>

担当教員:板坂留五、村山徹 TA:薗田さくら

 

2024.07.01(月)、第11回目の授業が行われました。本日も前回に引き続き、板坂先生と村山先生と2対1で第二課題のエスキスが行われました。

最終発表の日が近づいてきました。学生たちが持ってくる模型のスケールが全体的に小さいと感じています。今回のエスキスでそれぞれ最終提出物の内容が提示されました。早めに最終提出のことを考えて模型を制作すること。大きいスケールで設計を進めると、その空間がどのように利用されるのか、足りない部分や無駄な部分も見えてきます。今よりスケールを上げた模型でスタディすることをお勧めします。また、模型に人や家具などの添景を入れることでスケール間など、より空間が想像しやすくなりますので、模型に添景を入れてスタディしてみましょう。

エスキスの合間に友達同士で楽しそうに意見交換する姿が見られたり、授業後に先生に相談する生徒も居たり、限られた時間を有意義に使い、積極的に課題に取り組む生徒の姿がみられました。

友達からの意見や、友達の考えを聞くことで自分の設計に繋げられる発見をすることもあります。最終発表の日が近づいているので、焦りで一人になりがちですが、そんな時こそ相談してみることをお勧めします。

最終発表までのエスキスは、この回を含めて、あと2回となりました。プレゼンテーションのことを考えながら、何が必要か把握したうえで、これまで以上にスピードを上げて設計を進めていきましょう!                               

TA:薗田さくら

 

 

<トラック5>

担当教員:針谷將文  TA:髙橋葵衣

 

7月1日(月)総合デザインスタジオ第11回の授業が行われ、トラック5では個人エスキスが行われました。前回の中間発表を経て、だんだんと立体的な形が出てきています。同時に、前回問われた、「どう建てるか」を意識して設計に取り組む学生がみられ、構造とデザインとが一体となった設計がされているものもありました。

街区公園の在り方を問い、地域にとっての新たな定義づけに取り組んでいる学生がいます。今週は、街を見渡せる展望台と街を照らす灯の役割を担う塔の設計と、それを取り囲む居場所のデザインを詰めていました。先生からは、「一つ一つの空間に用途を持たせようと、造り込みすぎている。大きな視点で見たときのルール・コンセプトがあるといい。箱をつくるというより、居場所を作るという意識で設計すると良い。」さらに、「都市と建築、外部と内部が同時に成立するような造られ方を意識してほしい」とアドバイスをいただきました。

全体に共通して、先生から「箱を置いたら用途になるわけではない」との助言がありました。屋外に椅子とテーブルを置くだけで人が談笑できる空間になったり、そこに屋根がかかるともっと長い間人が滞在できる空間になったりします。そこが地域の人々の交流場所になれば、自然と集会所のような空間になっていくかもしれません。とりあえず内部空間を置いて用途を持たせようとするのではなく、人々がどう過ごすか、どのように過ごしてほしいか、そこから展開される活動など、どんどん想像を働かせながら空間を設計していきましょう。

個人エスキスの時間もいよいよ来週が最後となりました。最終発表に向けて、これまでのプロセスを知らない人にどのように説明するのかも考えながら、設計を詰めていきましょう!

TA髙橋葵衣


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