総合デザインスタジオ

第10回 エスキス

2024/06/24

SHARE

クリップボードに
コピーしました

担当:担当:中津秀之

専任教員:柳澤潤、黒田泰介、古賀紀江、粕谷淳司、酒谷粋将

非常勤講師:高橋堅、岡路明良、針谷將史、納谷学、板坂留五

助手:村山徹、Yap Minwei

TA:荻尾明日海(M1)小原久奈(M1)、勝又小太朗(M1)、薗田さくら(M1)、高橋葵衣(M1)

 

2024.06.24(月)3,4講時目「総合デザインスタジオ」の第10回目が行われました。

この授業は、履修者全員が5つのトラックに分かれる演習授業です。各トラックに複数人の教員が付き、それぞれ異なったテーマの課題がだされます。

本日は、授業の冒頭でヤップ先生から全トラックの学生に向けたレクチャーをして頂きました。

建築における環境や風景といった要素に興味を持ち大学で学んだ経験を活かし実際に設計をした建築から、最近の海外での話を多くの事例を元に話していただきました。

具体的には気候や風土に応じた建築の形状や素材選定を行い、地域の特性に最適化した設計や、空気や光を活用した居住空間、また家族構成の変化による生活のスタイルの変化に柔軟に対応できる居住スペース、増築と改修によって利用価値を高めていく建築など多くの事例があがりました。

台北における台湾の大学の卒業設計展においてはどのように他の学生が卒業設計をしているのか、物量やクオリティなどとても刺激を受けたと思います。

建築は「多岐多様である」ということ、多くの事例からも分かるように、建築の楽しさというものを、現在取り組んでいるスタジオでも表現していけるようにしましょう。

下記各トラックの授業様子です。

 

 

<トラック1>

 

担当:髙橋堅

本日も、引き続き第2課題のエスキスが行われました。先週と同様、学生が3つのテーブルに分かれ、それぞれの学生のエスキスを数人で聞いて一緒に考えるというスタイルで行われました。

毎週のエスキスを通して少しずつ進んできているようです。今週は、それぞれ敷地模型や設計案を持ってきており、具体的な検討を始めている人が多かったです。一方で、プログラムも固まり、方向性が決まってきてはいるものの、自分の中で腑に落ちていない点や課題がある学生もまだまだ多いようです。悩むことはあると思いますが、自分なりに楽しんでやっていってほしいです。

今日のエスキスを通して、自分は次回何をしていくか具体的に決まってきている学生もいました。

少しずつですが、進んできているので、このまま手を止めず、最終までギアを上げて、駆け抜けていってほしいです。来週のエスキスも良い時間を過ごせるように、今週も頑張ってください!

TA:荻尾明日海 代理

 

 

<トラック2>

 

担当:納谷学、ヤップ・ミンウェイ

本日も、前回に引き続き第2課題のエスキスが行われました。先週同様、模型や図面を用いて具体的に検討している学生が多くテーブルが賑やかになってきました。また、実際に形にしたことで自分の課題点がどこにあるのか、客観的に見えている学生も多かった印象です。

YAP先生からエスキスのはじめに、空き時間を有効に使うようにとアドバイスがあり、実際に、学生たちは空き時間に模型に手を加えたり図面を修正したりと手を動かしていました。

それぞれエスキスを通して、あと一歩進みたいけどなかなかうまくいかず、止まりかけている学生も見えました。しかし、リサーチを通して自分のしたいことの軸は定まっている学生が多かったので、なんとか今週を乗り越えてほしいです。

最後に納谷先生から、進捗に関して全体としては進んでいるが、ほかのトラックの中ではまだまだだと全体への講評がありました。YAP先生からは、つまらないものでもいいから設計を一周してみること。ボロボロでもいいから授業に出ること。と講評がありました。

来週からは、発表形式で公開エスキスのような形で進めることになりました。空き時間の使い方は変わりますが、最終に向けてプレゼンの練習として、また、個人で聞いていることをみんなで聞く時間として、次回以降も有意義な時間を過ごしていきましょう。

TA:荻尾明日海 代理

 

 

<トラック3>

 

担当:岡路明良

今週も第2課題の設計のエスキスを引き続き行ないました。この課題では、第1課題で行ったリサーチを元に、子安エリアを対象に人付き合いの形を提案してもらいます。いかにして、子安に新しい「L I F E」を設計するのかが課題となります。

第10週目となる本日の授業は、先週に引き続き個別でエスキスチェックを行いました。

全体的な印象としては、子安エリアの一部のエリアを設計しようとしている学生は、比較的手が動いている印象ですが、子安全体を対象としている学生は、情報量の多さに悩み、スタディに時間がかかってしまっている印象でした。

また、前回のエスキスを得て、模型や図面の精度を上げている学生が少なく、子安の特徴的な斜面や、住宅と住宅の関係性など、各々の対象とする敷地の周辺との関係性がまだまだ見えていない印象がありました。スタディをしていく際に、周辺との関係性は必須の要素です。そこの精度をまず高め、図面と模型制作を繰り返し行い、エスキスをし、ブラッシュアップすることで、エスキスの精度を高めていきましょう。

今回の授業で、岡路先生からプレゼンテーションの表現として、5つの本の紹介がありました。図面で表現したい部分の色を変えることや、ダイアグラムとしての表現など、特に海外の事例を多く紹介していただき、他の人のエスキスを聞いている人と、表現の勉強をする人に分かれ有意義な時間見舞ったと思います。

来週はトラック内での中間発表になります。今回の授業で紹介された表現だけでなく、自分自身でもプレゼンテーションの技術を高めていくことを意識して、中間発表、最終提出に臨みましょう。

また、これから提案を裏付けていくため、更なるリサーチを行いつつ、模型と図面の両面でスタディを引き続き行っていきましょう。

TA:勝又小太朗

 

 

トラック4〉

担当教員:板坂留五、村山徹 TA:薗田さくら

 

最終提出が近づいてきました。進み具合がまばらで、まだ図面や模型が足りない人が目立ちました。

授業の初めに友達同士で意見交換をして下さいと伝えた為、エスキスの合間に友達同士で話し合っている姿が見受けられました。この話し合っている風景が次週から自然に生まれていると嬉しいです。普段一人で設計を進めていると思うので、授業の時間は自分の考えていることをまとめる為にも考えを話してみましょう。友達の考えていることも聞いて、悩んでいることを一緒に考えること。週に1回しかない貴重な時間なので、授業時間を有効に活用しましょう。

板坂先生、村山先生から「エスキスをする際、図面がないと前進できない。文字やスケッチだけではどんな敷地でどのくらいの面積で設計するのかが伝わらないからちゃんと設定して、図面と模型を持ってくること」とお話しがありました。先生方とのエスキスで大きく前進できるように、次週から皆さんの手元に図面とスタディ模型があることを期待しています。次週の授業のために準備をするという考えではなく、最終のことを見据えて、計画して設計を進めてください。「楽しい」という気持ちを忘れずに設計を進めて欲しいです!

TA:薗田さくら

 

 

<トラック5>

 

担当教員:針谷將史  TA:髙橋葵衣

6月24日(月)総合デザインスタジオ第10回目の授業が行われました。トラック5では第二課題の中間発表を行いました。

発表内容をいくつか紹介します。

・宮古島にある水資源を、地下ダムと給水所、ビオトープ空間として可視化させる案。

敷地にかける屋根の形、植物の種類、生態系が生まれ繁殖していく未来を想像しながら設計を行っています。先生からは、「強すぎる建築があると貯水空間が地域と切り離されてしまう。もう少し引いた視点で、街中から見たときどんな風景が現れるといいかを考えながら設計するといい。」とアドバイスをいただきました。

・観光客と地元住民の居場所を商店街に挿入し、コモンの再定義を目指す案。

商店街に存在する隙間や裏路地から、居場所となる領域を広げ、新たなコモンを設計しています。先生からは、「良い視点で設計が進められている。引き算することで入ってくる風や光がどのように環境を作っていくか、または何かを足して作っていくのかなど、足し算と引き算を繰り返しながらどんどん展開していくとよい。」とアドバイスをいただきました。

各発表を通して、今回の課題の目標は「どのようにして建築をつくるかを考え設計すること」と先生から繰り返し強調されました。なんとなく木造とか、なんとなく屋根をかけるといったようにふわっと設計するのではなく、エレメントをしっかりと考え、アイディアを建築にすることを念頭に置き設計を進めていきましょう。

また、最後に「パースや模型は最終提出に合わせて作るのではなく、パースを書きながら、模型を作りながら設計を進めていくことが大切。作ってみて初めて発見することがあるから、そのプロセスを大事にすること。そして同時に、平面図や断面図の二次元に落とし込み、どうやって建てるかまで考えながら形のスタディーを詰めていくこと。」と最終に向けてのアドバイスをいただきました。

じっくり設計に向き合えるのも残り2週間となりました。ここまで考えてきたことをしっかりと形に落とし込めるように、引き続き手を動かしながら設計を詰めていきましょう!

TA:高橋葵衣


関連記事