担当:粕谷淳司、小形徹、三浦秀彦
すまいデザインスタジオ1、第7回目の授業です。本日は、分析と展開の発表が行われました。学生たちは一人ひとり教室内のパーテーションや机を使い自由に展示をし、発表しました。展示スペースには、一人ひとりの頭の中の世界が広げられているようで、それぞれに魅力があり見ていてとても楽しいものでした。
「ちいさな空間」の制作を通して抱いたイメージや掴んだ感覚などを、カタチや言葉など様々なアプローチからドローイングやモデリングに落とし込めている学生が多くみられました。「ちいさな空間」の様子をモデリングで再現していたり、展示方法に関連させていたり、空間の様子からの気付きを言語化し新たなカタチへ展開させていたりなど、様々な表現方法が見られました。
分析と展開の段階でただ作って終わるのではなく、これからも続けて手を動かしてみること、これからの設計にどう発展させるかを考えることが大切だと、先生方から話がありました。モデリングの状況を図面化してみること、モデリングのアイデアをドローイングに戻してみること、モデリングの中に人がどのくらいのスケールで入るか考えてみること、作品を様々な距離、角度から撮影することなどを通して、自分の制作したものが一気に空間的に見えてくるかもしれません。今回展示した作品はもちろん、この課題を通して考えたことや見たものをもう一度振り返りまとめてみて、設計に入った後もそこに立ち返って考えられると良いと思います。
授業の最後に、設計課題が出題されました。以下、設計課題の概要です。
『環境に働きかける家』
【自分自身が「すまう」こと(他の誰かとあるいは他の何かと共に、でもよい)を考え、そのための家の計画と設計を通して、あなた自身の「すまう」ことを表明してください。
この課題における仮説は以下の通りです。
「すまう」とは<想う→働きかける→観察する→そしてまた想う>こと、つまり<連鎖する過程>をいきることであり、そして「環境に働きかける」ことなのではないか。この仮説を今回設計する家で起こり得る具体的なものごとをとおして検証してください。】
この設計課題では、「ちいさな空間」の制作および「分析と展開」での作業を通して各自が経験した<連鎖する過程>やそこで得た方法について、それらを暮らし方や空間構造や構成部位やそれらの相互関係へと具体的に変換・発展させ、さらに特徴的に徹底させた家の設計が求められています。
対象敷地は、湘南国際村内の丘陵地です。この場所をどう読み取り、感じ取り、捉えるかも非常に重要になります。早めに敷地見学に出向き、そこでの自分の場所解釈をもとに設計を進めていけると良いと思います。
次回は1回目のエスキスです。設計課題の第1歩目として、どの様な取り掛かり方が見られるか期待しています。
TA:荻尾明日海