総合デザインスタジオ

第5回 リサーチ課題

2024/05/20

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統括担当:中津秀之

専任教員:柳澤潤、黒田泰介、古賀紀江、粕谷淳司、酒谷粋将

非常勤講師:高橋堅、岡路明良、針谷將史、納谷学、板坂留五

助手:村山徹、Yap Minwei

TA:荻尾明日海(M1)、勝又小太朗(M1)、薗田さくら(M1)、高橋葵衣(M1)

 

2024.05.20(月)3,4講時目「総合デザインスタジオ」の第5回目が行われました。

この授業は、履修者全員が5つのトラックに分かれる演習授業です。各トラックを複数人の教員が指導し、それぞれ異なったテーマの課題が出題されます。

本日の授業の冒頭では、高橋堅先生から全トラックの学生に向けたレクチャーをして頂きました。

リノベーションをした建築の紹介や素材の加工方法などのお話をしていただきました。殺菌効果のある金属板との出会いから素材が決まり、テクスチャー(表面の素材感)を決めたお話はとても興味深く、なかなか知る機会がない内容を丁寧にお話していただき、大変貴重な時間を過ごすことが出来ました。

下記各トラックの授業様子です。

 

<トラック1>

担当:髙橋堅、酒谷粋将 

トラック1では、前回に引き続き個人でのリサーチの発表を行いました。リサーチが進んでいる人とそうでない人の差がさらに出てきたようにも感じましたが、前回と比べ、調べた内容がビジュアル化されている人が少し増えた印象でした。今回良い地図をつくれていた人は、一目で情報が入ってくるもの、伝えたい内容と地図のスケールを合わせる事ができていたように感じました。一方で、伝えたい内容と地図のスケールが合っていなかったり、伝えるために必要のないデータを大きくレイアウトしているプレゼンも見受けられました。決して量があれば良いという訳ではありません。必要な情報と不必要な情報を自分自身で取捨選択することを心がけてください。

また、予想を立てた上でリサーチを行っていた学生がいて、それはとても良かったと思います。そしてそのプロットした結果や、自身が歩いて撮った写真を地図に重ね合わせたプレゼンテーションにより、相手も理解しやすく想像を膨らませることが出来るようになったことで、言葉が飛び交うとても有意義な議論ができていたように感じました。

全体的に、現状や未来の調査ができていても、プログラムがまだ定まっていない学生が多いと感じました。対象とした場所ならではの、その場所でしかできない事をぜひ見つけてほしいです。

次回は、第1課題の最終講評です。この第1課題でのリサーチ結果は、第2課題へと大きくつながっていきます。テーマを明確にし、調べた事と提案のつながりに説得力のあるプレゼンテーションを期待しています。

TA:荻尾明日海

 

 

<トラック2>

担当:納谷学、ヤップ・ミンウェイ、黒田泰介

トラック2では、前回に引き続き個人でのリサーチをA1の紙1枚以上にまとめ、発表しました。前回に比べ、自身が行ったリサーチを踏まえて提案するという流れで発表できる人が増えた印象でした。その中で、自分が焦点を当てた、大切にしたい伝えたいことがあるのに、提案を通してそれが薄くなってしまっている人も見受けられました。自分の視点を深く掘り下げることは、もちろん大切ですが、時には見る範囲を絞らずに広げてみると、それまで気付かなかった街の特徴から、自分がやりたいことを実現させるためのヒントを得られるかもしれません。

また、焦点を当てた対象物に対して、その現状を詳しく調べることは必須ですが、提案する際は、今だけでなく季節ごとの街並みの変化やその建築が建った後のことまで、長い目で見て考えた計画が求められます。

そして、自分が提案したプログラムに対して、自分自身の立場でその提案の中に入り込んだ時にその提案が本当にうまくいっているのか、機能するものであるのか、もう一度確認してみることも大切です。

全体的な印象として、リサーチの密度が濃くなった学生が増えたものの、リサーチから提案への裏付けの浅い人が多い印象でした。リサーチで得たことを提案の一つひとつに結び付け、説得力を上げられると良いと思います。リサーチの対象とした街に対して、一人ひとり感じた事や考えた事が必ずあったはずです。何を伝えたいのか、そのためにはプレゼンテーションにどの様な情報が必要なのか、各自もう一度考え直し、可視化して下さい。次回の講評会では、今までで一番良いプレゼンテーションが見られることを期待しています。

TA:荻尾明日海

 

 

<トラック3>

担当教員:岡路明良、粕谷淳司 T A:勝又小太朗

2024年5月20日、第5週目となる本日の授業は、前回に引き続きグループ発表と個人テーマを発表しました。

グループリサーチでは、前回先生に指摘されたポイントをしっかりとブラッシュアップ(改善)するだけでなく、更に内容を深めることが出来たので、今回の結果を個人テーマに結びつける事を同時に考えてもらいたいです。週を追ってリサーチから得られる情報は多くなりますが、調べている事に対しての考察が、全体的に足りていない印象でした。個人テーマを見つける上で大切なプロセスなので、そこは十分に意識してほしいと思います。

個人テーマの発表では、子安エリアのリサーチ課題を通して個人が関心を得た事を前回より深堀することで、どのように設計に繋げていくのかを発表しました。個人テーマとしてやりたい事や関心を持っている対象が明確になってきている反面、子安エリアのどの場所に焦点を当てるのかなど、具体的な提案にまだまだ結びつかない一面が見受けられました。グループ発表で得た情報や他のグループの学生が、何を考えているのかにも興味を持ち、各々のテーマに重ねて咀嚼して欲しいと思います。

来週は、全体発表となります。これまで、指摘されたポイントや自分たちが取り組んできた事を、今一度振り返り、これまでも言われてきた、「伝える」ことを意識して他の学生や自分自身に気づきを与えるプレゼンテーションになることを期待しています。

T A:勝又

 

 

〈トラック4〉

担当教員:板坂瑠五、村山徹、古賀紀江 TA:薗田さくら

今週は、ブラッシュアップした作品を先週と同じ発表形式でプレゼンテーションしました。この時間は、友達の作品を知る時間でもあり、先生方の他の学生へのアドバイスも聞ける時間です。これからもこのような時間を大切にしましょう。

それぞれのエスキスで改善点が分かったと思います。来週は最終発表ですので、最後までデザインすることを止めず、自分が納得出来る楽しいブックレットを作成して下さい。先週も先生方からアドバイスがありましたが、サイズやテクスチャー、読む間隔などに関しても多くのスタディをして設計を繰り返すことが大切です。まだまだ作業の足りない人がいましたが、表紙、カバー、タイトル、コンセプトを必ず付け、最後にインデックスを入れることも忘れないでください。

人に「伝える」という事をもっと意識して、どのように読んで欲しいのか、何をどう見せたいのかをもっと考える必要があります。次週は講評会ですので、その点を意識して、ワクワクするような、楽しい気分になれるブックレットを作成して欲しいです。次週までにA1でプレゼンボードをつくり、初めて見た人に自分が何をやってきたのかを分かりやすく伝えられるようにしましょう。リサーチで街を歩いて、街の都合を探したこと、今回の課題で発見した事など、説明の仕方も工夫して、どのような手法で設計を進めたのかを正確に説明できるようにしましょう。

皆さんのデザインしてきたブックレットがどのような形になったのか、楽しみです。

TA:薗田さくら

 

 

<トラック5>

担当教員:針谷將史 柳澤潤  TA:髙橋葵衣

5月20日(月)第5週目の授業が行われました。トラック5では先週に引き続き、「スモール・インフラストラクチャー」について各自がリサーチした内容を張り出し、発表しました。

今回の授業では、プレゼンボードだけでなく模型を持ってきて発表している学生が多く見られました。手を動かしながら考えることはとても大切なことだと思いますが、一方で、そのスモールインフラがどのように街を、地域を変えていくのか、何のために必要なのかの説明が足りない学生が多く見られました。

第一課題では、1)設計する敷地の説明、2)自分の考えるスモールインフラとは、3)なぜその場所にそのスモールインフラが必要なのか、この三点が求められています。「スモールインフラ」として扱うテーマは、各学生独自の視点で捉えることが出来ています。それを敷地が持つ課題と結びつけること、これからの未来の暮らしをどう変えていくのかという点をもう少し丁寧に考えていきましょう。

全体の発表を通して、先生方から「今回の課題は大きな建築課題ではない。足元レベルで見ていくことが大切。遠景で示すのではなく、近景を見せて欲しい」、「地域の固有性と継続性を、スモールインフラをきっかけに再発見することが出来る。対立するモノの間を取っていくのではなく、その先の新しいかたちを提示して欲しい」というご指摘をいただきました。さらに、それぞれの発表を受けて「ネットワーク」という言葉が先生方から繰り返し使われていました。地域に新しいネットワークを創るという視点を持つと、スモールインフラによって変わっていく地域を想像しやすくなるのではないでしょうか。

自分の考えを他者に伝えるとき、写真・地図のレイアウトの仕方、イメージを伝えるための表現がとても大切になります。これまで調べ、考えてきた内容をただ羅列するだけではなく、伝えるためのレイアウトを心がけましょう。

来週はトラック1から5までの学生が集まり、各トラックの代表者による発表が行われます。これまでのリサーチを分かりやすく、楽しくまとめ、他のトラックの学生や先生方に、それぞれが想像する未来の暮らしが伝わるような発表を期待します。

                               TA:髙橋葵衣


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