担当:粕谷淳司、小形徹、三浦秀彦
すまいデザインスタジオ1第3回目の授業です。前回に引き続き、「ちいさな空間」の制作作業を行いました。前回の作業を踏まえて材料を新しくしたグループや、先生方からのアドバイスを受け悩みながら良い方法を模索している様子、感覚を掴み勢いに乗って作業を進めている様子などが見られました。

1つのグループの様子を紹介します。5号館の横の外階段を選んだグループは、廃材置き場から持ってきた大きな木材を使い空間を制作することを試みていました。このグループは最初、木材を切ったり家具のようなものを作ったりすることを考えていましたが、「必ずしも材料を加工する必要はない」、「ただものを置くことで機能を持った空間がそうではなくなる」というアドバイスを受け、見た目のインパクトはもちろん、人の行動や視線の誘導が生まれているような、階段とは思えない魅力的な空間に変化していました。




また、他のグループの良かった点としては、もとある空間と材料の色のコントラストが綺麗に生まれているグループ、その空間に人がどう関わるかを考えられていたグループが多かったことです。一方で、多く指摘があった点は、空間の制作を選んだ場所だけで終わらせるのではなく、そこから周りの場所や風景とどう連続しつながっていくかを考えた方が良いということでした。
空間は、体験する対象です。視覚的なものだけにとらわれず、人がどう関わり、そこでどんな体験が生まれるかを考えることが大切です。


さらに、写真の撮り方によって空間の見え方が一気に変わります。撮る角度を変えたり、映り込む背景を工夫したり、できた空間の写真だけでなくその空間に入り込み見えた風景を撮影したりすることで、新たな発見があるかもしれません。ちいさな空間の制作作業が終わってからは、写真で相手に伝えることになります。制作過程での空間の変化を瞬間として捕らえることももちろん大切ですが、自分たちの意図が伝わるような撮り方を意識できると良いと思います。
今回は前回の作業時と比べて、楽しみながら作業を進めている学生が増えた印象でした。


次回は「ちいさな空間」の発表です。当日は発表の準備を終えたあとに教室に集合し、それから全員で各グループの作品を見て回ります。今日の授業でどんなものをつくるかが決まらなかったグループは、次回までの期間に試行錯誤を重ね、準備万全の状態で次回の発表に挑めるようにしましょう。楽しい作品がたくさん見られることを期待しています!
TA:荻尾明日海