担当教員 常勤・粕谷淳司 非常勤講師・小形徹、三浦秀彦
6月6日(火)第8回目のすまいデザインスタジオ1 の授業は、第2課題 分析と展開の発表です。
学生たちは教室内に自由に展示し、質疑含め6分間の発表を一人ずつ行いました。
ちいさな空間で見つけることのできた形、流れ、感じたことをコラージュやドローイングに落とし込んでいる学生が多く見られました。どれも個性的で自分にしかない表現があり、楽しさが伝わる生き生きとしたものになっていました。
さらに、机や壁をのびのびと使い沢山の制作物を展示した学生がいました。その展示空間からは大きな熱量が感じられ、この課題を通して得るものが多かったのではないでしょうか。
また、無造作に引っ張り出したままの針金や釘などをそのまま置き、それぞれが響きあうことでその時々によって様子の異なるモデリングを展示していた学生は、計画的ではないがある意味計画的だった、と学生自身も述べているように制作物に一貫した軸があり、この課題を通して設計に繋げられそうな何かを見出したような気配が読み取れる、と評価されました。
先生方からは、一つやって終わりではなく、繋げること、それらを発展させていくことが大事であると総評をいただきました。
皆さんお疲れさまでした。
そして、授業の最後に第3課題が発表されました。
今回出題された課題の概要です。
【指定された敷地に、あなたと「誰か」のための「離れ」を設計してください。
「離れ(はなれ)」とは、もともと「母屋(おもや)の中ではなく、そこから離れている座敷。また、離れ屋」を意味する言葉です。つまり日常生活が効率よく進むよう機能的に計画された諸室とは少し違っていて、むしろ一種の「冗長性・余剰性:Redundancy」の空間といってよいでしょう。それでいて「離れ」はあくまで日常の一部を構成する空間である点が、たとえばホテルや別荘のような「非日常」を味わうための空間とは異なります。
この設計課題が問いかけることは以下の二つです。
一つ目は、家に/まちに/社会に/暮らしに、ポジティブな冗長性・余剰性:Redundancy を組み込むことによって、私たちは設計者として、そして一人の生活者として、どのように人間性を取り戻し、思考を深め、あるいは生きる喜びを感じる空間を作り出せるかということです。
二つ目は、皆さんがこれまでの授業の過程で見いだしたことは、どのような「すまい」や「暮らし」へあなた自身を導いてくれるだろうか、という問いかけです。】
この課題では、第1課題のちいさな空間、第2課題の分析と展開を行ったこれまでの過程で見いだしたことを具体的な方法として空間の設計に生かし実践することへの試みが求められています。
まずは今まで記録してきたドキュメントや制作物など、皆さんが積み上げてきたものをもう一度振り返ること、課題を読み込み自分なりの考えを持つこと、敷地に足を運びその場所を体感することが必要です。
次回から始まるエスキスに向けて頑張ってください。
TA 伊藤