すまいデザインスタジオ1

第4回 『ちいさな空間』発表

2023/05/09

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担当教員 常勤・粕谷淳司 非常勤講師・小形徹、三浦秀彦

 

今日は第1課題ちいさな空間の発表を行いました。

各グループそれぞれが発表できる状態まで作業した後、教室に集合し全員で作品を見て回りました。

オープンチャーチ前円形ベンチの班は居心地のいい場所であるとしてこの場所を選択し、トイレットペーパーを丸めたものをベンチ中央の植栽や地面に刺した竹串の上に置いて角度、距離の違いによって見え方の変わる空間を作成しました。また、トイレットペーパーをそのままベンチに残すことで、それを手に取りトイレットペーパーを丸めて好きなところに置いてもらう体験の提案もしていました。

6号館水辺付近、1階EV前を選択した班は、まずEV付近の一方通行の動線変えたいと、天井から床に伸ばした複数本のテープをS字状に配置し、椅子をオブジェに見立てて置き、人の動きを操作していました。

水辺では室内に使用したものと同じテープを対角線上に張り、透明なプラスチックのコップと風船を吊るしました。コップの中には大学内でとれた木の枝や石、ゴミなどが入っていて、それらが風によって揺らされることで水面に波紋を生み出し、小さな音を立てていました。

さらに建物内部であるEV前と外である水辺を繋げようと視線の誘導や空間の場所を工夫していました。

6号館6階階段の班は静かな踊り場や階段に、白色の布や紙を黒色の針金で吊るしたり置いたり、貼り付けて、それを通る人が踏んだ音や、潜る動作、さらには光の揺れ方によって単調な場に変化を与えました。外だと騒がしさや情報量の多さによって掻き消されてしまうような繊細な音、色、動きがこの場所だからこそ目に留まり、生き生きと輝いていました。

また、班員全員が空間の雰囲気に馴染むような白い服を着ていて、こだわりが見られました。

5号館階段の班は利用者がただ通るだけではなく、楽しさを感じられるような場にしたいという思いから、暖簾のようなテープをくぐったり、鮮やかな付箋や風船を視界に入れることでそれを避けたり、付箋を貼ったり、風船を触ったりと様々な変化を与える空間を作っていました。

工学本館付属棟外廊下の班は薄いラッピングペーパーを使い、旗のようにそれらを吊るしていました。前回まではテープを使っていましたが、線ではなく面にすることで、風に合わせ面が現れたり、ねじれて線のようになり消えたりと常に変化し、より視覚的なアプローチが得られるようになっていました。また観賞用の椅子を配置することで空間の存在感と、通る人への関わりが強くなったように感じました。

発表時には他の班の学生が一言ずつ感想や質問を投げかけました。

それぞれが感じたことを学生同士で伝え合うことで、自分達では気づかなかった視点での空間の捉え方を知ることができ、とても良い時間になったのではないでしょうか。

次回から第2課題の分析と展開が始まります。

さっそく、次の授業日までにちいさな空間の制作を通して感じたこと、気づいたこと、作業の記録などを一つのドキュメントとして個人で制作するという課題が出されました。

頑張ってください。

TA 伊藤


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