担当:中津秀之、柳澤潤
専任教員:黒田泰介、古賀紀江、粕谷淳司、酒谷粋将
非常勤講師(建築家):高橋潤、岡路明良、針谷將史、納谷学、Sebastian Gross
助手:村山徹、Yap Minwei
TA:黒柳静希(M2)、村瀬巧(M2)、村田錬太郎(M2)、寺山宇洋(M1)
2023.04.17(月)3,4講時目「建築・都市デザインスタジオ」と「すまいデザインスタジオ」の合同授業「総合デザインスタジオ」の第2回目が行われました。新型コロナウイルス感染症拡大防止対策として、自然換気、マスクの着用、ソーシャルディスタンスが徹底されました。
この授業では、トラック1~6までの6つのトラックに分かれて行われる授業です。各トラックに複数人の教員が付き、課題が出されます。下記各トラックの授業様子です。
<トラック1>
担当:高橋潤、中津秀之 TA:村瀨巧
2023.4.17(月)、総合デザインスタジオ第二回目の授業が行われました。
トラック1では前回決めた8つのグループから、主に中村川沿いに関する調査を発表してもらいました。
中でも、「遠景の美しさ」「街の美意識」「建物による統一感」「植栽による景観の美しさ」の4項目で各街区を評価していたグループがありました。リサーチとしては主観的な視点もあると思いますが、自分の言葉で定義付けをした上でリサーチをしたことは大変良いと思います。
先生方からは、風景に着眼すると、地上に立った時の建物と、高層ビルから見下ろした時の建物の見え方は違い、建築を設計するときの一つの手がかりを見つけ出せるかもしれないといった言葉をいただきました。
同じ中村川沿いの風景でもたくさんの風景の見方があるので、自分自身の観点を信じて魅力的な空間を見つけてほしいと思います。
TA:黒柳静希
<トラック2>
担当:納谷学、村山徹 TA:村瀨巧
2023.4.17(月)、第2回目の授業が行われました。本日は第一課題の事例見学として東京の下北沢にある「BONUS TRACK」の見学会を行いました。BONUS TRACKとは小田急線の東北沢駅から世田谷代田駅間の地下化によってできた鉄道跡地に形成された、4つのSOHO棟と中央棟、それらをつなぐ広場によって構成された商店街のようなエリアです。
見学会ではこのBONUS TRACKのプロジェクトに関わったツバメアーキテクツの千葉さんに敷地内を歩きながら解説をして頂きました。
千葉さんからはこのプロジェクトがどのように進んでいったのか、リサーチの段階や建築の細かい工夫、テクスチャーの決め方、ランドスケープについてなど様々なお話をして頂きました。
その中でも、BONUS TRACK内でのルールを決める際に、「~は禁止」といった否定的なルールを設けるのではく「~はしてもよい」という肯定的なルールを設けることでより良い空間にすることができたというお話が印象的でした。
見学会の最後には学生たちから一人ずつ、今回の見学会を踏まえてBONUS TRACKやツバメアーキテクツのプロジェクトについてリサーチしてきたことを発表しました。
今回のような見学会は学生たちにとって大変貴重な経験だったと思います。BONUS TRACKにて感じたことや考えたことを今後の課題を進める上で活かして欲しいと思います。
(TA:村瀨巧)
<トラック3>
担当教員:岡路明良、粕谷淳司 TA:寺山宇洋
2023年4月17日、第2週となる本日の授業では、トラック3の対象敷地である子安エリアにフィールドサーベイに行きました。担当の先生方と学生たちと散策し、街の特徴を観察していきます。
漁業を生業とする漁師がたくさん暮らすこのエリアでは、一階に船に荷物を積むためのスペースを持つ住宅や、陸と港をつなぐ仮設的な足場が見られ、「暮らし」と「職」が相互的に関わり生活を営む風景が広がっていました。
また、井戸、銭湯、公園などが点在しており、人々が集まる場所として使われている場所も見られました。
この日は、外に出ている地元の方々は少なく静かな印象でしたが、違う日や時間、天候に行くと今回は見られなかった街の風景が広がっているかもしれません。ぜひ、たくさん足を運んでほしいと思います。
その後、フィールドサーベイを通して発見したことや思ったことを皆で共有しました。
岡路先生からは、建て替えが進むこのエリアで、子安の漁村の住まい方、生業が生活に直接的につながる暮らし方を今の時代にどのようにシフトできるか、というアドバイスをいただきました。
また、粕谷先生から、まずはモノに眼が行ってしまうけど、このトラックのテーマである「LIFE」を次回以降のリサーチで探してほしい。そして、子安ために何かをすることだけではなく、ここで得たことから現代社会に対して、何ができるだろうかといった普遍的な問題にも取り組むことができることが、このスタジオで期待している事というお話をいただきました。
次週は、グループごとに調べたことをピンナップ形式で発表していただきます。
今回のサーベイから分かったこと、また更に調べてみたいとこなど、この街のことを更に深く知ってほしいと思います。
前半課題スケジュール
#01:04/10 全体ガイダンス・グループ分け
#02:04/17 エリアリサーチ/個人テーマ研究発表
#03:04/24 エリアリサーチ/個人テーマ研究
#04:05/08 エリアリサーチ/個人テーマ研究
#05:05/15 トラック内発表
#06:05/22 全体講評・第二課題説明
TA:寺山宇洋
〈トラック4〉
担当:Sebastian Gross+Yap Minwei TA:風間楓
前半は、セバスチャン先生にstudio-grossでのプロジェクトをご紹介していただきました。一作品目は、商店街に面したセバスチャン先生の自邸です。商店街との境界線を曖昧にし、プライベートな住宅とパブリックな商店街の間にセミパブリック空間を設けることで、周辺住民との繋がりを構築している住宅でした。二作品目は、セバスチャン先生の自邸近隣にある展示スペース兼カフェ兼住宅です。住人が自身の作品を展示し、カフェに来た人がその作品を観覧するなど、全ての要素が繋がっているのが特徴です。
紹介していただいた作品で共通していたことは、〝交流の場〟であることです。トラック4のテーマとして挙げられている「銭湯」も〝交流の場〟としての役割を持っています。セバスチャン先生のレクチャーを活かし、現代社会に合った〝銭湯〟を今一度考えていきます。
講義の後半は、今週の課題である「銭湯の調査」の発表をグループごとに行いました。
入浴時間に着目したグループや、銭湯周辺のイベント行事に着目したグループ、アートや歴史を調査したグループもありました。また、どのグループも銭湯のアクソノメトリック図、内観パース、平面図などを用いて発表をすることで、伝えたい内容が明快になっていました。
発表後、ヤップ先生、セバスチャン先生からは、「銭湯は、街の中で様々な存在意義を持っている。それは、健康のため、記憶や歴史を残すため、生存を確認するためであるかもしれない。銭湯はその街にとってどういう場所なのか、どういう存在なのか。再度考えてきて欲しい。」というフィードバックをしていただきました。
次回は、街と銭湯の関係性を図式化し、銭湯はその街にとってどういう場所なのかを引き続きグループで調査します。今回の調査よりも濃い内容の発表を期待します。
TA:風間楓
<トラック5>
担当:針谷將史、柳澤潤 TA:黒柳静希
4月17日(月)総合デザインスタジオ第二回目の授業が行われました。トラック5では各自「スモール・インフラ・ストラクチャー」について調べてもらった内容を前に張り出し、1人ずつ発表してもらいました。
中でも印象的だったのは、掲示板に着目し、逗子、横須賀、世田谷三つの地域の掲示板をフィールドワークにより調査し、特徴を明らかにしたものでした。デジタルでは四角い画面から海を越え、世界と繋がることができる一方で、私たちが住んでいる地域への関心がなくなっており、掲示板がその役目を果たすのではないかといった非常に興味深い着眼点でした。
先生方からは、掲示板とデザインを結びつけることは面白く、最終的には掲示板に掲載するチラシそのものをデザインしても良いのではないか、といった意見をいただきました。
スモールインフラは反骨精神の表れと捉えることができるかもしれません。デジタルが普及している現代において、機械仕掛けに頼らず人間が五感を研ぎ澄まし、社会や自然に対してもう一度問題定義を示すことも重要だと思います。
オリジナリティ溢れる発表が多く、次週以降も楽しみです!
TA:黒柳静希
〈論文トラック〉
担当:酒谷粋将
今回は、個々の研究テーマの検討と、論文の書き方、調査の仕方などの基本事項の指導がありました。研究テーマの具体例として、マルチエージェントシステムを使ったキャンパス空間の分析や、ワークショップ手法の開発などを検討しています。
TA:風間楓