総合デザインスタジオ

第1回 ガイダンス

2023/04/10

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担当:中津秀之、柳澤潤

専任教員:黒田泰介、古賀紀江、粕谷淳司、酒谷粋将

非常勤講師(建築家):高橋潤、岡路明良、針谷將史、納谷学、Sebastian Gross

助手:村山徹、Yap Minwei

TA:黒柳静希(M2)、村瀬巧(M2)、村田錬太郎(M2)、寺山宇洋(M1)

 

2023.04.10(月)3,4講時目「建築・都市デザインスタジオ」と「すまいデザインスタジオ」の合同授業「総合デザインスタジオ」の第1回目が行われました。新型コロナウイルス感染症拡大防止対策として、自然換気、マスクの着用、ソーシャルディスタンスが徹底されました。

この授業では、トラック1~6までの6つのトラックに分かれて行われる授業です。各トラックに複数人の教員が付き、課題が出されます。下記各トラックの授業様子です。

 

 

<トラック1>

担当:高橋潤、中津秀之 TA:村瀨巧

2023.4.10(月)、第1回目の授業が行われました。トラック1では「アーバン・トポグラフィー」という課題が課されました。対象エリアは神奈川県横浜市の中村川沿いです。

この課題では、アーバン・トポグラフィーと他者の関係について分析や考察を行い、

都市的/建築的介入により、包摂的に敷地の問題点の解決や新たな可能性を引き出すことを目的としています。

(課題文参照)

出題者の高橋先生からは事例などを交えた課題の詳しい説明をしていただきました。

第一課題であるリサーチ課題では対象エリアの主観的観測である真理値図の作成と、客観的観測である敷地分析を行います。

対象エリア内で、アーバン・トポグラフィーと他者が重層している状況を主観的に観測し、そのことにより「見えないもの」を炙り出すことがリサーチ課題の目的です。

次回はまずリサーチしてきたものを発表し先生方からの意見やアドバイスを頂く時間になります。学生達にはこの課題で求められているものを理解した上で実際に対象エリアに足を運び、今後に繋がるものを発見して来て欲しいと思います。

(TA:村瀨巧)

 

 

<トラック2>

担当:納谷学、村山徹 TA:村瀨巧

 

2023.4.10(月)、第1回目の授業が行われました。トラック2では第一課題として「まちを診る」という課題が課されました。

この課題では、建築に携わろうとするみなさんが病気に患ったまちとどのように関係していくか?を考えていきます。学生達には町医者のような目線でまちを診る。このことから、現在のまちの病気(問題)や健康的で良いところを探し出していきます。

(課題文参照)

先生方からは課題の詳しい説明といくつかの事例を紹介していただきました。

この課題では、これからの社会に出て建築に携わる学生たちが町医者のような立場に立って、まちの良いところ悪いところを診断する目を養う思考能力と、それらに的確な仕掛けを加えられる設計能力を身につけることを目標としています。

次回は下北沢にあるボーナストラックを実際に見学します。ボーナストラック以外の事例をリサーチしつつ、事前にボーナストラックがどのような取り組みを行っているのか調べて有意義な見学会にしてほしいと思います。

(TA:村瀨巧)

 

 

<トラック3>

担当教員:岡路明良、粕谷淳司 TA:寺山宇洋

トラック3ではスタジオ「LIFE」と題して、「住まうこと、生活すること、生きること」に関わるもの全てを研究対象とし、ヒューマン・コンタクト(人づきあいのかたち)をテーマに人々の生活に本当に必要なものは何か。を問いかけ、考察します。

様々な社会問題を抱えながら生きる私たちの時代に、それぞれの場所が抱えるローカルな状況に合わせて、よりよき方向を志向する小さなきっかけと成り得ることを目的とします。

トラックの配属が決まった後、トラック3を担当してくださる岡路先生と粕谷先生から、課題についてレクチャーしていただきました。

対象である子安エリアを題材に、「LIFE」に必須のものを再発見する、リサーチから自身の切り込む分野を考える、これらの事を踏まえ、子安エリアのこれからのまちの姿を提案していただきます。

総合デザインスタジオは、卒業設計のプレ課題とするため、トラック3ではプログラムや規模、敷地設定は各自で行います。リサーチから読み取った各自のテーマをしっかり持つことで、卒業設計のテーマにも結び付けることが出来ます。

前半はグループに分かれて、エリアリサーチを行い、グループごとに発表していただきます。

リサーチは設計に必要な材料集めですので、各自のテーマに結び付けられるよう取り組みましょう。

 

前半課題スケジュール

#01:04/10 全体ガイダンス・グループ分け

#02:04/17 エリアリサーチ/個人テーマ研究発表

#03:04/24 エリアリサーチ/個人テーマ研究

#04:05/08 エリアリサーチ/個人テーマ研究

#05:05/15 トラック内発表

#06:05/22 全体講評・第二課題説明

 

TA:寺山宇洋

 

 

〈トラック4〉

担当:Sebastian Gross+Yap Minwei TA:村田錬太郎

テーマ:How do 湯 bath?

日本の日常生活において、入浴文化は欠かすことのできないものです。

東京で最初の銭湯(公衆浴場)は1951年に建てられました。20世紀初頭、東京のような都市部では密集化が進み、潜在的な延焼のリスクが高くなりました。風呂のお湯は直火で沸かす必要があったため、火災防災のため、長い間、家庭で浴室を持つことは稀だったのです。

それ故、防火法は日本における銭湯の普及を促進したのです。

銭湯は、平坦な階層社会との交流の場であり、出会いの場としての社会的機能を有していました。(中略)

もう一度、銭湯を復活させることはできないでしょうか?

入浴という行為をどのように見直したらよいでしょうか?

どのように入浴しますか?一緒に入浴しますか?

ここでいう銭湯や入浴とは、概念のことであって、ただ銭湯を復活させたいということではありません。

現代の住宅は、キッチンお風呂洗濯など、日常生活のほとんど全てがそこで完結していて、それを補おうと街にでていく必要はありません。

その結果、近所付き合いなど、地域との関わりが少なくなっている一つの要因になっていると感じます。

だからといって、住宅からユニットバスを取り上げればいいというわけでもないでしょう。

現代社会に合った”銭湯”とはいったいなにかを考えます。

課題前半はグループワークです。

自分たちで選んだ銭湯とその1キロ周辺をリサーチする。+その銭湯で起こったアクティビティやどんな空間形式かなどのスケッチ、参考事例などを調べていきます。

わかりきったものでなく、ユニークなアクティビティを発見できると面白いと思います。

 

TA:村田錬太郎

 

 

<トラック5>

担当教員:針谷將史、柳澤潤 TA:黒柳静希

トラック5では「スモール・インフラ・ストラクチャー」と題して、小さなインフラから建築を考えるということを基本テーマとしています。

インフラというと、高速道路やダムなど大きなものというイメージがありますが、地域内でボトムアップ的に整備される小さなインフラも意識してみればたくさん見つかるかもしれません。このトラックでは、このようなスモールインフラを内包する都市や建築空間の構想から、社会的な問題や自らのテーマを掘り下げ、私たちの未来の暮らしを考えることを目的といします。

トラックの配属が決まった後、トラック5を担当してくださる針谷先生と柳澤先生から、ショートディスカッションが行われました。その後、生徒によって「スモール・インフラ・ストラクチャー」に対する簡単なブレストが行われました。

針谷先生からは、プログラム、敷地、身の回りのインフラ、自分が興味のあること、どれから考えても良いが、インフラを考えることは社会を考えることにつながるという話をいただきました。柳澤先生からは、インフラとは何かを考えることが重要であり、固定概念を崩していくことが重要という話をいただきました。

この授業は、前半のリサーチを自分の言葉にして発表することや、そのリサーチを設計に活かすことなど、卒業設計や卒業論文を行う上で大切なことを学べると思います。

楽しんで、積極的に設計に取り組んでもらいたいと思います。

 

(TA 黒柳静希)

 

第1課題スケジュール

#01 : 04/10 全体ガイダンス・グループ分け 各グループレクチャー

#02 : 04/17 リサーチ課題・エスキスチェック①

#03 : 04/24 リサーチ課題・エスキスチェック②

#04 : 05/08 リサーチ課題・エスキスチェック③

#05 : 05/15 リサーチ課題・トラック内講評

# 06 : 05/22 リサーチ課題・全体講評


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