建築環境デザインスタジオ

第14回 まとめ・講評

2023/01/23

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1月23日は「建築・環境デザインスタジオ」の第14回目の授業でした。今週は、図面の最終提出日です。これまで作成してきた建築計画、給排水設備計画、空調設備計画、電気設備計画全ての図面は合計30枚以上となりました。学生の皆さんは、春学期のパッシブデザインスタジオで行った建物の設計から約1年間を通しての大作となり、大きな達成感となったでしょう。これらの作成は、常任の先生方と荒牧先生、飯塚先生、光永先生が時間をかけて、細部まで採点していただきました。

先生方の採点により、評価が高かった飯田君、小林さん、岩淵君、江藤君、田見君、濱吉さんの6人に各設備のコンセプトを発表してもらいました。

飯田君

飯田君は、音楽スタジオなど特殊な用途の室に合わせた空調設計を計画や、外構照明では地域性を考慮しアンティーク調にするなど、幅広く考えられていました。図面の完成度や精度が高く、給排水衛生設備の図面では、各種配管のメリハリが強く評価されていることに高い評価が得られていました。

小林さん

 小林さんは図面の精度にさることながら、コンセプトの表現力が高い評価を得ていた。特に環境断面的表現を用いることで、導入した設備の位置や意図が伝わっていました。また小林さんは、光永先生より、エスキス時の熱意に対しても評価が高かく、設計においてやりたいことを実現させようとする意欲や質問を率先して行う熱意は他の学生を圧倒していました。

岩淵君

 岩淵君は、階段状の平面の設計であることから、形状を利用した空調計画を行っていました。また建物形状と日射などの環境を合わせて思考することで、省エネに対してうまく設計に落とし込むことができていたと高く評価されました。

江藤君

江藤君は、小型空調機用ダクト接続型空気清浄装置やコジェネレーションシステム、デマンドレスポンスの利用など、講義で扱っていない設備の導入は、計画段階での意欲の高さが反映されているコンセプトでした。また空調の設計時から、CHPについて記載するなどエネルギー関連の電気設備に関連した事項を考えており、各設備を跨いだコンセプトとなりました。対象建物に留まらないDRによる面的利用計画は、多くの学生が建物完結型の計画であったこともあり、先生方から高い評価を受けました。

田見君

田見君は、コンセプトから伝わる圧倒的な調査力とその表現力に加え、図面の精度の面からも高い評価が得られていました。設備に関しては、PSを屋外に設け配管を見せる設計や太陽光パネルをガラス面に使用するなど、建築の設計と一体化した設備設計となっていることが高い評価につながっていました。

濱吉さん

 濱吉さんは、コンセプトに乗せた図やイラストをすべてコンセプト用に作成していることが高い評価を得ました。図を自分で作成することで、コンセプト全体を通した色味の統一化が生まれ、見やすいコンセプトとなっていました。

 

今回の総括として山口先生と大塚先生よりお話を頂きました。

大塚先生からは、1年生から学んだ環境配慮設計(パッシブ)や設備技術(アクティブ)と意匠設計の3つの知識を掛け合わせて作成した今回の課題は「大学入学後の1~3年で学んだ集大成」であるとお話いただきました。また、パッシブデザインスタジオから学生を見ていただいた山口先生は、学生の取り組み方についてお話いただきました。今回発表した6名の作品は、費やした時間や考えが感じられる作品であったと思います。

この講義を通して設備設計は、意匠設計の意図や地域との関わりを、配管、配線計画や設備技術として落とし込むことが必要と感じました。

 

来週は、ポートフォリオの提出となります。

提出図面に不足がある学生は忘れずに提出してください。

TA小野、板橋


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