【担当】黒田泰介、兼広彰、戸田啓太
2025年12月2日(火)、まちづくりデザインスタジオ2の第9回の授業が行われました。今回は参考事例の見学会として浦賀にある古民家、幸保邸と穴澤邸を見学しました。共に国登録文化財の歴史的建造物です。
天候にも恵まれ、13:30に幸保邸前へ集合しました。
今回は、元横須賀市の建築課課長で、現在は市の博物館で学芸員をされている亀井泰治さんに来ていただき、見学先の建築物について解説をしていただきました。
始めに、東浦賀にある歴史的な商屋と石蔵の建物である幸保邸を見学しました。幸保邸は2023年度のまちづくりデザインスタジオ2で対象とした古民家で、大正期の石倉と商家が合わさったつくりです。耐震改修された建物は現在、大変人気のある味噌工房として活用されています。詳しくは当時の授業ブログをご覧下さい。
見学は2グループに分かれて、建物の内外をじっくり見せていただきました。
幸保邸の見学の後、浦賀湾を横断する渡し船に乗って、東浦賀から西浦賀に向かいました。
西浦賀では大正時代からある商屋の座敷蔵、穴澤邸を見学しました。外観はモルタル吹きつけ、幸保邸と同じく防火を目的とした石倉ですが、住宅として使われているのが特徴です。
1階は居間とキッチン、2階には8畳間が2つあります。蔵の中とは思えない立派な座敷には刀や槍がかけられ、元会津藩士であった穴澤家の歴史を物語っていました。
お隣にある叶神社(西叶神社)も見学しました。立派な彫り物が見所です。境内からは穴澤邸の瓦屋根や後ろの増築部分が良く観察できました。
最後に、明治時代につくられた浦賀ドックを見学しました。ドックとは船の修理用施設で、中に船が入った後にポンプで水を抜いて、船底などを修理します。レンガ造のドックは、国内ではここと、同じく浦賀湾に面した川間ドックの2件のみであり、大変貴重な歴史的建造物です。
ドックの横に残るポンプ室も見学しました。ドック内に海水を注排水するための施設です。屋根は過去の台風で失われてしまいましたが、ドックに繋がるレンガ造の空間がぽっかりと空いています。
今回の見学会では、実際に活用されている古民家を見たり、また浦賀の町を代表する建築である浦賀ドックに入るなど、普段はなかなか出来ない貴重な体験が出来ました。
次回からは個人設計のエスキスが始まります。再提出となった実測図面はもちろん、模型作成など各自進めていきましょう。
SA:久保田