受賞・報道

工学研究科建築学専攻の学生が「空気調和・衛生工学会 優秀講演奨励賞」および「日本建築学会大会学術講演会 環境工学部門 若手優秀発表賞」を受賞しました。

2023/03/04

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工学研究科建築学専攻に所属する板橋芽美さん(修士課程1年)が「空気調和・衛生工学会 優秀講演奨励賞」および「日本建築学会大会学術講演会 環境工学部門 若手優秀発表賞」を受賞しました。日本建築学会大会の若手優秀発表賞は、昨年、同賞を受賞した木村彩芳さん(修士課程2年)に続き本学工学研究科建築学専攻で2年連続の受賞となりました。

「空気調和・衛生工学会 優秀講演奨励賞」は、大会の更なる活性化を図ることを目的として20~30代の若手研究者・技術者を対象とする賞で、2022年度は608編の講演論文の中から16名が受賞しました。「日本建築学会大会学術講演会 環境工学部門 若手優秀発表賞」は、環境工学部門における研究活動のさらなる発展に資することを目的として、学生、若手研究者等による優れた発表に対し表彰が行われています。

板橋さんの空気調和・衛生工学会での発表タイトルは、『接触感染対策における各種水栓の衛生性と節水化を考慮した手指洗浄手法の提案(その1)自動水栓による効果の検討』。また、日本建築学会大会では、『各種水栓による衛生性と節水化を考慮した手指洗浄手法の提案 その1. 自動水栓による効果の検討』として発表。新型コロナウイルス感染症の流行により注目された“手洗い”についての研究内容を報告しました。現在、手指衛生に関する研究は、1.医療者の手洗い(医学)、2.手洗いや消毒における除菌効果について(公衆衛生)、3.家庭における使用水量や水資源の削減(給排水設備)などがありますが、手指衛生を公衆衛生と給排水設備の双方から研究した事例は非常に少なく、今回の研究では、接触感染防止に有効な非接触型の自動水栓を用い、公衆衛生と給排水設備の 2 つの観点から、衛生性と節水化を考慮した手指洗浄手法と今後の水栓使用への提案を行いました。板橋さんは「厚生労働省が推奨する手洗い方法を実施した際の給水流量の変化による除菌効果をパームスタンプ検査によって調べ、より有効な手洗い方法を検討しました。コロナ禍で注目された手洗いですが、コロナ対策としてだけでなく、災害による断水時においても節水でありながら衛生性を保つことができる手洗い方法の提案を最終目標に据え、研究に取組みました」と話します。今回の受賞に関しては、「プレゼンテーション能力を研鑽したいと力を入れていたので、発表部門で受賞できたことはとても嬉しいです」と受賞の喜びを語りました。

パームスタンプ検査で手洗い前と手洗い後の平均細菌数を比較
手洗い前後除菌効果

「2021年度日本建築学会大会学術講演会 若手優秀発表賞(環境工学部門)」を受賞した木村さんの発表タイトルは『トイレ空間における水の衛生環境改善と感染防止に関する研究 その2 大便器排水における飛沫の発生と抑制・防止策』。コロナ禍でのトイレ空間における糞口感染・接触感染を防ぐため、大便器洗浄時飛沫の発生に注目し、便蓋への飛沫付着面積・飛沫数測定実験を行い、飛沫抑制のための留意点、飛沫数評価に関する考察を報告しました。木村さんは「新型コロナウイルス感染症の問題は、日本だけでなく世界中で直面している課題です。今後は排水管内でのエアロゾル発生の可能性も検証したいと考えていて、一連の研究はまだ完結していません。最近では新型コロナウイルスの影響も落ち着きつつありますが、感染症拡大防止のために早急に研究結果をまとめたい」と今後の研究への意欲を語りました。

便蓋への飛沫付着面積・飛沫数測定実験

これらの研究は、文部科学省科学研究費に支援を受けたもので、その一環として行ったものです。

今後も関東学院大学では、学生の研究や学びを生かした社会課題解決への取組みを推進していきます。

本学サイトのTOPICSにも取り上げられました。


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