日時:2024/7/1 17:15-1845
場所:関東学院大学5号館301スタジオ
参加者:学生32名、教員4名(柳澤、神戸、ヤップ、村山)
7月1日(月)17時15分から5号館301スタジオで、アフタースクールゼミ2024として本学教授である粕谷淳司先生の2回目のレクチャーが開催されました。
第2回は1回目に続き「ドイツの建築と都市(2)モダニズム/戦後/現代」をテーマに、2022年の4月から9月までの半年間、ドイツ・ドレスデン工科大学にサバティカルに行かれて研究した内容をお話しいただきました。
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はじめに前回の内容を踏まえて、ローマ建築からはじまりロマネスク、ゴシック、ルネサンス、バロック、新古典主義から近代建築に続く系譜の流れをお話しいただきました。
ここからは事例を元にお話しいただきました。まずAEGタービン工場、アインシュタイン塔、チリハウスのドイツ表現主義からスタートしました。続いて、グロピウスのバウハウス・デッサウ、ミース、コルビュジェはじめ多くの建築家が参加したヴァイセンホーフジードルングといった初期モダニズム建築、ルドルフ・シュバルツのフロンライヒナム教会を紹介いただきました。
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次に、ドイツを象徴する建築としてナチス党大会会場、ベルリンオリンピック競技場を紹介いただきました。プロパガンダとして機能した建築のある種不気味な現在の姿がとても印象的でした。
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再びモダニズム・現代に戻り、ドイツを代表する建築家であるハンス・シャローンによる人間中心主義をテーマに設計されたベルリンフィルハーモニー、ベルリン州立図書館、ミースのナショナルギャラリーをデヴィッド・チッパーフィールドがオーセンティックに改修設計した新ナショナルギャラリー、ミュンヘンオリンピックテント膜構造を紹介いただきました。
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次に世界最高峰の美術館のひとつであるインゼル・ホンブロイッヒ現代美術館、ピーター・ウィルソン設計のミュンスター市立図書館、デヴィッド・チッパーフィールド設計のベルリン新美術館改修・増築、ジェームスサイモンギャラリーを紹介いただきました。
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最後にスイスの建築家でドイツ語圏の建築を象徴する建築家であるヘルツォーグ&ド・ムーロンによる工場をリノベーションしたMKMキュッパースミューレ美術館、修道院をリノベーションしたウンターリンデン美術館改修・増築、ハンブルグを象徴する建築となったエルベフィルハーモニーを紹介いただきました。
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質疑応答では、なぜドイツには世界的に有名な建築家が育っていないのか?という質問に対して、モダニズム以降、ミースらがアメリカに行ったことで建築教育がなくなったことが一つの要因だろうとお応えいただきました。
粕谷先生、2回にわかり貴重な写真とお話し、ありがとうございました。