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黒田研究室のゼミ生たちが、万代会館の軸組模型をプレゼンテーションしました

2023/10/26

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2023年10月21日(土)に、横須賀市の指定重要文化財である万代会館にて、建築・環境学部 黒田研究室の4年ゼミ生が、春学期ゼミナールの成果である軸組模型を披露しました。

万代会館は津久井浜に面した高台に位置する、昭和初期に建てられた茅葺き屋根の別荘建築で、帝国銀行頭取・青山学院理事長などを務められた万代順四郎氏の住まいとして使われていました。トミ夫人の死後、土地・建物は横須賀市に寄贈され、生涯学習施設として活用されていましたが、耐震上の問題で現在は庭園のみの公開となっています。

当日は横須賀建築探偵団の主催による第18回湘南邸園文化祭として、万代会館の見学会が開かれました。始めに川尻町内会館にて行われた建物解説では、昨年の黒田研究室ゼミ生がつくった白模型の隣に、実測調査を踏まえて製作した軸組模型(建物の骨組のみを表現した模型)を並べて展示しました。探偵団による万代氏の略歴と黒田研究室OBである横須賀市自然・人文博物館の亀井泰治氏による建物の構造に関する説明に続いて、4年ゼミ生達は自分たちがつくった軸組模型の見て欲しい点や苦労したところをお話ししました。黒田泰介教授からは壁沿いに並べられた、3Dスキャンニングによるフルカラーの建築図面について説明がありました。

数寄屋造の別荘建築である万代会館は四棟に分かれた茅葺屋根をもちますが、構造的には和小屋と扠首を組み合わせたもので、L字型平面の角や増築部分では棟持柱が屋根を支えています。軸組模型では茅葺きの下地である竹の垂木までが表現されています。

プレゼンテーションの後は万代会館に移動して、縁側に模型と図面パネルを展示しての建物見学会が行われました。実物と模型を相互に見比べることができる見学会は大変好評でした。万代会館は茅葺屋根を一部修理中でしたが、学生達は下ろされた茅の中からまだ使える部分をより分けて、歴史的建造物のメンテナンスをお手伝いしました。

見学会に参加された一般の方からは「3Dスキャンの精密な図面に驚いた」「自分は一級建築士だが学生の内に軸組模型をつくるのは大変勉強になる」「若い人にこうした古い建物にもっと興味をもってもらいたい」などのご意見をいただきました。4年ゼミ生の皆さんは今回の貴重な経験を活かして、自身の卒業研究を積極的に進めて欲しいと思います。


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