2009年の学習指導要領改訂以後、「総合的な学習の時間」における学習活動に、生徒自らが課題を発見し調査を進めていく「探究学習」を行う高等学校が増加しています。探究学習は生徒の思考力や判断力、表現力などの育成を目的として、生徒自らが課題を設定し、解決に向けて情報を収集・整理・分析したり、周囲の人と意見交換・協働したりしながら進めていく学習活動のことです。
今回は、建築・環境学部の大塚雅之教授が、関東学院六浦高等学校2年の添川晶世さんの探究学習に協力し、インタビューに応じました。添川さんは『環境に配慮した人が快適に住みやすい空間』をテーマに、”空調の過度な使用”に焦点を当てて文献調査を中心に探究活動を行ってきました。現在は「空調機器を必要としない建物づくりには何が必要か」という問いを立て取組んでいます。環境に配慮した建築について興味を持つ添川さんからのインタビューでは、主に、本学の「建築・環境棟」について質問がありました。「建築・環境棟」は2013年の建築・環境学部新設にともない建設され、環境、省エネなどの現在の建築に求められる諸条件を兼ね備えた建物です。配管などの設備を天井や壁に隠さない現しの構造を目にすることができ、建物を使いながら様々な技術が学べる生きた学修教材として作られています。また、「建築・環境棟」はJIA環境建築賞(一般建築部門 優秀賞)をはじめとする多くの賞を受賞しています。
大塚教授は、建設途中のエピソードなどを交えながら、建築・環境棟で採用されている天井放射空調や地中熱利用パイプ、外壁面に設けられたルーバー(日除け)やガラスのダブルスキンなどの計画の目的や効果について丁寧に説明し、質疑応答後には、実際に設備を見学して回りました。大塚教授は、「今回のインタビューをきっかけに更に学びを深めてもらえれば」と話しました。
今後も関東学院大学では、高校生が将来における自己の在り方や生き方を考え、主体的に進路を選択する際の一助となる連携事業を推進していきます。
※本学サイトのTOPICSにも取り上げられました。