9月28日(水)、建築・環境学部創設10周年記念 KGU国際交流シンポジウムが5-101ホールで開催されました。
「コロナ感染症蔓延下での建築教育実態と今後の建築の方向性」をテーマに、韓国と台湾から講演者を迎え、コロナ禍における建築教育の実態とポストコロナ時代に向けた建築の行方について、対面とオンラインツールを併用した形で議論が行われました。会場では約45名、オンラインでは約30名、合計75名の方に参加していただきました。
黒田教授による司会進行のもと、冒頭に大塚学部長から開会の挨拶がありました。建築環境学部創設10年の国際交流活動の経緯と今後の展開について簡潔に講演しました。海外の参加者向けに、李准教授による同時通訳が行われました。
次に韓国と台湾のゲスト4名からそれぞれ講演していただきました。はじめに台湾国立成功大学の楊詩弘(Yang Shih Hung)助教授から、「国立成功大学の COVID-19 対処戦略と教育活動への影響」について話され、建築学部と医学部がコラボレーションして立ち上げた防疫対策向けのデザインプロジェクトを紹介していただきました。続いて台湾国立高雄科技大学の謝秉銓(Hsieh Ping Chuan) 助教授から「新型コロナ(COVID-19)後の学習-パンデミック後の台湾の大学教育」について話され、オンライン教育に対する学生のアンケート調査分析結果について説明していただきました。
韓国東義大学のイ・クォンヒョン助教授 (Lee,Kweon-Hyoung) からは「ポストコロナ時代、建築設計-オンライン教育の限界と克服方案」と題して、設計の実習系授業をオンラインで行うことの問題点について具体的に共有していただきました。韓国韓南大学カン・インホ(Kang,Inho) 教授からは「COVID 19における建築教育の状況と課題-韓南大学建築学科の経験」と題して、コロナ禍をきっかけに韓南大学で設備されたパノラマスクリーン、タッチ反応型壁面スクリーンなどの先進設備の実物写真を見せていただきました。なお、これらの講演内容はすべて本学の李准教授によって同時通訳されました。
古賀学科長からは、「大いなる遺産に。- COVID 19パンデミックの産物」と題して、コロナウイルス感染拡大から現在までの本学の教育場面の変化について振り返りました。その後、本学部4年生の板橋さんからここ数年オンラインを通して建築を学ぶ体験についてプレゼンが行われました。
講演はすべて終了した後、ディスカッションが行われました。大塚学部長から「オンラインツールで講義を行う際、顔が見えない画面の向こう側にいる学生たちの反応をどう測るか」という質疑を提起して、講演者から様々な観点で議論が行われました。最後にまとめとして、柳澤准教授からは「国内海外問わず、コロナ禍にける建築教育現場の悩みは皆同じであり、来年こそ対面で会ってこれまでの不安を打ち消せたらよい」という展望を述べ、大塚学部長からは、これを機に日本・韓国・台湾の学生同士で国際交流フォーラムを作ることを提案して、本シンポジウムを締めくくりました。
シンポジウム終了後、皆さんで記念写真の撮影を行いました。参加してくださった皆さん、どうもありがとうございました。