関東学院大学

建築・環境学部 建築・環境学科

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環境共生デザインコース

建築・環境学科

建築環境・設備実験

建築環境・設備実験 テーマ5音響測定実験

  • Category: 建築環境・設備実験
  • Posted by kgu5.
  • 2019/08/02

テーマ5の「音響測定実験」では、騒音を低減する方法について考えます。建築空間などの人工環境下で私たちが快適に暮らすために備わっている給排水衛生設備、空気調和・換気設備などは、時に騒音源になってしまうことがあります。「音響測定実験」では、騒音低減対策を考えるための基礎知識の習得を目的に、音の伝搬の原理とその対策方法について議論を進めました。「実験1:建築資材の遮音性能の評価」と「実験2:吸音ダクトの音響減衰量の測定」の2つの実験を行い3週にわたりディスカッションと観察を繰り返します。

本年度の講義では、「音とは何か」、「音の伝わり方(伝搬)」、「音の単位」について先生と学生が議論を交えながら考え、物理現象としての音の伝搬に関する理解を深めました。また、このような音についての基礎知識をもとに、次の実験において要点となる「音の伝搬経路の遮断方法」と「反射による音の伝搬の抑制方法」を学生にとってイメージしやすい事例として伝声管(アニメ:天空の城ラピュタの飛行船)などを用いた説明と現象の体験を行ったところ、学生からは「なるほど、そういうことか」と納得の声。現象の仕組みと現象そのものを同時に体験することが学生の理解につながるようです。これらを踏まえて実際に発生している音響障害についても紹介がありました。日光の東照宮薬師堂の内陣天井には竜が描かれています。この竜の頭の下で手を叩くと、ブルブルと奇声を発するという現象が起こることが知られています。

① ② ③ ④

 

これは「鳴き龍」として有名で、観光名所となっています。ところで、このような現象は決して珍しいものではなく、一般的な会議室等でも条件がそろうと簡

単に起こってしまいます。これはフラッターエコーと呼ばれていて、音響障害の一種です。

部屋の形と音の伝播に密接な関係がある事例として説明がされました。

上記のとおり学生らは、初回に本講義の位置づけやこれから行う実験で起こりうる現象について学習しました。さて、いよいよ実験です。まず初めに「実験1:建築資材の遮音性能の評価」を行います。ここではスピーカーから発生する音を、遮音材を置かない状態と、金網、厚みのことなる樹脂板(0.5mm,1.0mm,2.0mm)さらに、吸音材として一般的に用いられるグラスウールを置いた時とで、音圧レベルを比較します。次に「実験2:吸音ダクトの音響減衰量の測定」です。こちらは木製の簡易遮音箱に収容した建築設備用のシロッコファン(送風機)からの騒音をダクトの種類を変化させて比較します。吸音材を設置していない通常のダクト、もう一方はグラスウールを設置した吸音ダクトにし、これより吸音ダクトの効果の検証と吸音ダクトによる減音効果の原理を考察しました。

ここまで2週間を通して2つの実験を行い、その傾向を観察してきました。3週目では、学生が自らの手で実験データを分析し、集計しました。こうしたデータの整理を学生自らの手で行うことで、遮音材もしくは吸音材の効果がよく理解できたのではないでしょうか。最後の1コマでは、この結果をレポート(成果物)としてまとめるための文献研究を本学の図書館で実施し、各々が調べた図書が書き記している音についての関連の内容を皆で共有しました。また、TAよりその文献の内容をレポートに反映させるための手法を学びました。

本講義を受講した皆さん、こうして3週にわたり「音響測定実験」として、建築の音における問題やその現象を経験していただきましたが、いかがでしたか。快適な生活をするために建築物に組み込んだ設備機器は時にして騒音源となってしまうことと、騒音の低減方法の考え方を学んだと思います。このことは今後の建築業界を担う業界人として、忘れずにいてください。また、これらの要素技術を組み合わせて、用途に適した音環境を構築するのが建築音響設計であると加藤先生はおっしゃいます。加藤先生、本年度もご講授の程ありがとうございました。

⑤⑥

 

 

 

TA:久保田

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