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[理工学部、建築・環境学部教養学会第36回ミニ講演会](理科系学生のための公開英語講演会)Brain and Drug Addiction: Brain Can Modulate Reward System 『脳と薬物依存』

  • Posted by kgu8.
  • 2019/12/06.

[理工学部、建築・環境学部教養学会第36回ミニ講演会](理系学生のための公開英語講演会)

Brain and Drug Addiction:Brain Can Modulate Reward System

『脳と薬物依存』

講師: 理工学部理工学科

簑 弘幸

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2019年11月21日に理工学部理工学科、簑弘幸氏による、標記タイトルによる4回目の英語講演会を開催した。

冒頭、講師は薬物に手を出してはいけないというメッセージを多くが学部一年次生である聴講者に伝え、その理由を講師の専門分野である生体医工学の観点から説明する本講演の趣旨を明示した。

まず、講師は「快感」が作られる仕組みを説明した。

脳はいくつかの領域に分けられ各々の領域が異なった機能を担っており、様々な快感は、神経細胞(neuron)から神経細胞へとその情報が伝えられ、報酬回路(reward pathway)とよばれる経路において、腹側被蓋野(ventral tegmental area) から側坐核(nucleus accumbens)とよばれる部位への情報の伝達が行われるときに生じる。快感の情報の伝達はシナプス内では電気的に伝えられ、シナプスとシナプスとの間ではドーパミンをシナプス間隙に放出するという形で化学的に伝えられる。前シナプスの端末は興奮を司る端末(excitatory pre-synaptic terminal)と抑制を司る端末(inhibitory pre-synaptic terminal)とからなり、両者の適切な協働により後シナプスへの適切な化学的情報の伝達が統御される(化学的シナプス伝達(chemical synaptic transmission))。

次に講師は、なぜ薬物が快感を高めるのかを説明した。

マリファナは抑制を司る前シナプスの端末に化学結合し、活動電位を高めドーパミンの放出量を増やす。結果として側坐核の活動が高められて通常より多くの快感が作られる。

マリファナは人の脳内に生得的に存在する物質であるが、人工的に作られた化学物質であるコカインは前者とは異なった方法で快感を作りだす。通常の化学的シナプス伝達においては、ドーパミンは前シナプス端末からシナプス間隙へ放出された後、後シナプス端末の受容体に結合した後に吸収ポンプにより再利用のために前シナプスに戻される。一方、コカインを摂取するとその成分は吸収ポンプに結合し、放出したドーパミンの回収が妨げられる。結果としてシナプス間隙には過剰なドーパミンが存在することになり、過剰なドーパミンの神経伝達が行われてしまう。

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以上の薬物の化学的な働きの説明の後、更に講師は中毒者がなぜその濫用を繰り返すのかという点を「中毒」(addiction)、「耐性」(tolerance),「依存」(dependence)という概念を導入し、薬物が使用者を濫用へと導く理由を説明した。

昨今、著名な芸能人が薬物の事案で逮捕されマスコミをにぎわすことが多く、薬物に関する社会の懸念も高まっている。ほぼ全員が理系の学生である聴講者からは、どのような化学物質が、どのような性質をもって濫用薬物とされるのかなどの質問が寄せられ、講師はすべての質問に専門の観点よりいみじくも説明した。

詳細は2020年3月に発行の紀要「科学/人間」に譲る。

下記は当日の質問の一部。

Q.   While there are various types of abusive drugs, how are they defined as such?  For example, are there any criterial substances by the amount of which a drug is defined as an abusive drug?

Q.   It’s not uncommon for a person with drug addiction to have other mental illnesses.  Can drug addiction lead to other mental disorders?  If it does, I wonder why it does.

(本発表においては米国、National Institute on Drug Abuse (NIDA)の子供向け薬物理解のためのプログラムで使用されるスライドを講演会プレゼン用PPT作成に活用させていただきました。ここに謝辞を申し述べます。)

2019年11月21(木)実施

 

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