関東学院大学

建築・環境学部 建築・環境学科

OB達との対話

環境共生デザインコース いままでとこれから ③

環境共生デザインコース いままでとこれから ③
──まず上田さんから、例えば学校で勉強した事で、こんな事が役に立っているとかありますか?
上田:いま、私は室内空間を演出する照明などを制御する建築の電気設備の設計を行っています。電気設備は建築の設備を動かすための動力で、玄関の自動ドアや室内に水を送るポンプ、空気を室内に送るファンなどに電力を送る役割を担っています。建築と環境や設備とのつながりをトータルに学んだことや、設計の時に出て来る専門的な用語も習っていたことが、役にたっていますね。当時の教科書は今も使っているんですよ。
大塚:最近のビルの省エネルギーや建築デザインとの関わりの深い電気設備って何かな?
上田:やっぱり、照明の話題が多いですね。デザイナーさんから、室内の明るさや照明器具の配置、建物のライトアップについて、様々なリクエストがあるのでよく打ち合わせしますよ。また、いまの話題は、省エネルギーのLED照明ですね。
──女性に重点的に学んでほしい事、あるいは女性が参加したからこそできる事ってあるんでしょうか。
大塚:たくさんありますね。男性だけで考える環境や設備というのは片手落ちになりますし、女性の感覚で建物の中の環境や設備を考えていかなければいけないという事もあります。例えば、清水さんは、室内の温度や空気の流れが、住人の快適性に与える影響、いわゆる温熱環境を勉強していますね。女性は、男性に比べ冷え性の人が多いですし、そういう女性の視点で、室内の温熱環境をどうコントロールしていけばいいかとか、少し香りをつけて空気を流すとか、女性に優しい空調設備なんかも考えてほしいテーマですね。
清水:夏に研究室で、男性はみんな暑いと言って、冷房の設定温度を下げるんですが、冷房が効きすぎて足腰が寒いという女子が多いんです。みんなが満足する環境を計画するのはなかなか難しいですが、今後は社会に出て環境設備設計を通して解決方法を考えていければと思います。
──女子だから気づけたことって何かありますか?
上田:実際にあったことですが、自動ドアの溝にハイヒールがはさまってすごく傷がついてしまったんですよ。そんな建物の段差やつくり一つをとっても影響があるので、女性に配慮した建築設計があってもいいなと思いました。
大塚:そうですよね。例えば空調設備なんかで何かない?
清水:冬にはエアコンの暖房時の風が顔に結構、強く当たるんです。それでみんなは暖かいなあって言うんですけど、乾燥が気になる私としては、風向きや風量がけっこう気になります。
大塚:エアコンから吹き付ける不快な風ですね。それに対して放射暖房と言って、床暖房やパネルヒーターのようにジワーっと暖かくなる方式が、快適性が高く好まれる傾向があります。しかし、男性の中には、扇風機の風のように風が勢いよくあたるような方式を好む人もいますね。
──いま、研究室で何の研究をやっていますか?
清水:いまは夏の省エネルギーが注目されていて、エアコンをなるべく控えるようにいわれています。昔から窓を開けて風を通すとなんとなく気持ちいい時がありますね。そんな心地よい風をどうしたら効率的に採り入れられるかについて研究しています。窓をどの位置に開けたら風が家の中に通るのか、直線的に開けたら、その部分しか通しませんが、ちょっと斜めに開けると部屋全体に風が通って家の中どこにいても涼しいなって感じられると思うんですよね。そのために、コンピュータで風の流れをシミュレーションして、どうしたら快適な空間設計ができるかを考えています。
──これから建築へ進もうとする学生にどんなアドバイスがありますか?
大塚:建築を環境からデザインするのは面白いと思います。照明の光、生活の水、快適で心地よい風、自然が奏でる音などの環境に関連した要素を女性の視点から建築デザインを取り込んだ、女性らしい、しなやかなデザインが求められると思います。そんな感性をもって、この世界に飛び込んできてくれる意欲ある学生の皆さんに期待しますね。
Profile
環境共生デザインコース いままでとこれから ③

(左)在学生:清水亜美子さん 大学院工学研究科建築学専攻博士前期課程2年
(中央)教員:大塚雅之教授 専門 建築環境・設備、給排水設備
(右)OG:上田早紀さん 2009年大学院工学研究科建築学専攻博士前期課程修了 株式会社三菱地所設計勤務

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